CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱

2017-08-14 10:08:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱  作:高殿 円

ホームズもののパロディというか、オマージュ作品であります
ホームズとワトソンが女という設定で、
いや、マイクロフトもモリアーティもみんな女と
宝塚とは違うんだが、なかなかステキな小説でありました
ぱぱっと読んで、後腐れなく楽しかったと
満足できるというか、堪能できる感じ
非常にマンガに近いと思われる読み応えであります
読みやすい、面白い、すばらしい

内容は緋色の研究を下地にしつつ、
現代版といっても過言ではない設定のなかで、
ある連続殺人事件をおっかけると、そういうお話なわけでありまして、
あまりホームズものを知らない身分では
十二分に楽しめたように思うのであります
いや、もっと知っているほうが楽しめるのかもしれない
様々なオマージュというか、にやにやさせることが
こめてあったという話なんだが
そのあたりはわからなかったので、なんともいえないのである

まさにホームズといっていいのかわかりませんが、
些細なことから、言い募って推理を披瀝するという
それこれが楽しいことは変わりなく、
これがかなり現代語的かつ、女の子的に語られているので
なかなか楽しいと思われたのであります
特に、ワトソンの造詣が素晴らしくて
ホームズ、ワトソンをいわゆる普通に見ているときに
ワトソンが凡人だといわれているわけだが
これが少女的凡人となると、
こういう表現となるのか、と、むしろ、凡人というのが
ものすごくすっきりと当てはまるようで
このキャラだけで、素晴らしいなと感嘆してしまったのでありました
非常に魅力的といっていいのか、
小説の中ではすばらしい人物であります
近くや、友達や、まして恋人には危険きわまりない人物ではあるんだけども

ちょっとした企画モノという感じからスタートしたのか
二編ありながら、そこまで深く書いていない、
わりと、オマージュを徹底した、ある種のコメディ的読み物のような
そういう軽さがあったわけでありますけども、
あたって、続編が出たりしたら、それはそれで
なかなかどうして楽しそうだなと思わされたりして
軽々と読める推理小説として、あっさり読みくだしたと
そういうお話でありました