CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】踊り子と将棋指し

2017-08-23 21:34:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
踊り子と将棋指し  作:坂上 琴

不思議というでもないけども、
なんとも形容しがたい感情を抱かせた小説でありました
アルコール依存症のため、記憶にすら障害が出ている男が
公園で死にかけていたところ、
ストリッパーのお姉さんに拾われて、
なぜだか一緒に暮らすというか、過ごしていくと
まぁそういうお話だったのでありますけども
題名の通り、男は将棋指しで、その威厳でもないが
何かを取り戻していくという感じで
物語が終わるといったものだが、
何を描いたというと、なかなか難しい、
将棋指しということよりも、
ストリッパーのお姉さんの生き様というか、
生きる姿と、アルコール依存症のうすら寒い恐怖みたいなのが
とつとつ、描かれていたのでありました

すらすらと読み終えられて、よどみなく面白かったといえるんだが
なんといったらいいか、どういう感想を持ったかと問われると
なかなか言葉にしづらい内容でありました

アルコール依存症を施設ではなく、環境というべきか、
人とのつながり、特にこのストリッパーとの絆から脱していくというのが
話の骨子だったと思われるのでありますが、
アルコール依存がどうしたというよりも
人間が社会と、つながりを形成していく、その気持ちに正直に生きていくといったらいいか、
社会というものを意識して、アルコールから離れていくというのが
なかなかステキなところだったんだろうと思うわけなんだが、
説教臭いわけでもなく、とても煌びやかなドラマがあるわけでもない
割と淡々として、不思議な読み心地ながら
面白かったといえる小説だったと思うのでありました

感想が書きづらいけども、よい小説だったと感じたのであります