炎路を行く者 作:上橋 菜穂子
守り人シリーズ短編のヒュウゴを主人公にした物語でした
ヨゴ国が、どうやって滅びタルシュの支配下に陥ったか
そこで、武人出身だったヒュウゴがどう過ごしていたかと
そんな過去の話をとっくりと描いています
これがなかなか、チャグムとは違う意味でよい青春劇というか
少女マンガ的王道といったら失礼かわからんが、
そう思えるような展開で、なかなか楽しく読めたのであります
武人階級の出身ながら、なんとか一人生き残ることができたため、
生きていくのに働くことが必要と、酒場で働きながら
だんだんと下町というか、そういう生活に埋もれていく
なれていくわけではない焦燥と葛藤が描かれていて
気位の高さと、そこに鬱屈としたものを蓄えて
不良少年になっていくというか、非行少年になってしまうヒュウゴ
ファンタジーなのに、いやに身に迫るというか
骨子の部分は、今そこらにある話だよなと
思わされてしまったのでありますところ
当初は清いでもないが、正しいと思ったことをして
しかし、その日暮らしを続けるしかないと
哀しい生き方をしているときに、
だんだんとその才覚を使って、そのあたりのシマを占めていくようになるというのが
なんだろう、不良ってこういう行動原理なんだろうかと
違うところに驚いてしまったわけでありますが
心情描写から、そうせざるを得ないのかしらと
思わされたりなんだったりしつつ、少年抗争物語として
読んで楽しいものだったのでありました
これによって、タルシュというかラウル皇子が
どれくらい立派というか、先のある君主になりえるかと
そのあたりも補完できたので
守り人シリーズのその後もちょっと楽しめる物語を提供してもらえたと
そんな読み方になったわけでありますけども
ともあれ、ちょっとこれまでとは毛色の違う物語を
堪能できたのでありましたとさ
もう一本がバルサ15の姿を描いた短編で
こっちは珍しくでもないが、バルサがしくじりから
大苦戦を強いられるといった内容で
ジグロとのやりとり、自立とは何かみたいなことやら
青春より少し前、子供から大人への成長過程にあらわれそうな
反抗期でもないけども、なんか複雑なそこを
的確に描いていたように読めて、こっちもまた面白かったのであります
相変わらず、私が親の身分にならないままだから
このときのジグロの気持ちが、わかるようでわからんのが
残念であるが仕方あるまい
と、まぁ、なんだかんだすっかり読み終えて
おそらくこれでシリーズは読み終えたのではないかと思うので
また別の何かを探して読んでいこうと思うのでありました
守り人シリーズ短編のヒュウゴを主人公にした物語でした
ヨゴ国が、どうやって滅びタルシュの支配下に陥ったか
そこで、武人出身だったヒュウゴがどう過ごしていたかと
そんな過去の話をとっくりと描いています
これがなかなか、チャグムとは違う意味でよい青春劇というか
少女マンガ的王道といったら失礼かわからんが、
そう思えるような展開で、なかなか楽しく読めたのであります
武人階級の出身ながら、なんとか一人生き残ることができたため、
生きていくのに働くことが必要と、酒場で働きながら
だんだんと下町というか、そういう生活に埋もれていく
なれていくわけではない焦燥と葛藤が描かれていて
気位の高さと、そこに鬱屈としたものを蓄えて
不良少年になっていくというか、非行少年になってしまうヒュウゴ
ファンタジーなのに、いやに身に迫るというか
骨子の部分は、今そこらにある話だよなと
思わされてしまったのでありますところ
当初は清いでもないが、正しいと思ったことをして
しかし、その日暮らしを続けるしかないと
哀しい生き方をしているときに、
だんだんとその才覚を使って、そのあたりのシマを占めていくようになるというのが
なんだろう、不良ってこういう行動原理なんだろうかと
違うところに驚いてしまったわけでありますが
心情描写から、そうせざるを得ないのかしらと
思わされたりなんだったりしつつ、少年抗争物語として
読んで楽しいものだったのでありました
これによって、タルシュというかラウル皇子が
どれくらい立派というか、先のある君主になりえるかと
そのあたりも補完できたので
守り人シリーズのその後もちょっと楽しめる物語を提供してもらえたと
そんな読み方になったわけでありますけども
ともあれ、ちょっとこれまでとは毛色の違う物語を
堪能できたのでありましたとさ
もう一本がバルサ15の姿を描いた短編で
こっちは珍しくでもないが、バルサがしくじりから
大苦戦を強いられるといった内容で
ジグロとのやりとり、自立とは何かみたいなことやら
青春より少し前、子供から大人への成長過程にあらわれそうな
反抗期でもないけども、なんか複雑なそこを
的確に描いていたように読めて、こっちもまた面白かったのであります
相変わらず、私が親の身分にならないままだから
このときのジグロの気持ちが、わかるようでわからんのが
残念であるが仕方あるまい
と、まぁ、なんだかんだすっかり読み終えて
おそらくこれでシリーズは読み終えたのではないかと思うので
また別の何かを探して読んでいこうと思うのでありました