森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

18秒の遺言

2009-09-02 01:28:36 | ユーモレスクを聴きながら(book)
18秒の遺言 (ヴィレッジブックス)
ジョージ・D. シューマン
ヴィレッジブックス

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最近本を読まないことを暴露してきた私ですが、ここの所お出掛けする事が多かったので、やっと一冊読み終わりました。

ヒロインであるシェリーは、死者からの死の直前の18秒の記憶を読み取る事が出来る女性です。ある種のサイコメトラーみたいな感じですね。

この物語にはヒロインが二人います。
もうひとりはケリーで、ワイルドウッドの警部補。

ワイルドウッドで起きた女性不明事件、ブティックの女性店員の惨殺事件・・
凶悪な殺人者は、最初から明かされています。その最悪の犯人に如何に迫っていくのか、どういう結末を迎えるのか結構面白いです。

本当は「一気に引きこまれます」「のめりこみます」と言う言葉を使いたいのですが、ダラダラ間を空けながら読んでいる私が言った所で説得力がありませんね。実はそれは私の読書時間の問題で、普通に本を読む人には、その言葉が当てはまるかも知れません。

作者のシューマンは実際にワシントンDCで20年間警察に勤務し、麻薬囮捜査官や内務監査部で警部を務めたと言う経歴を持ちます。その経験は警察捜査のシーンに説得力を持たせていることは間違いがないことだと思います。

今と言う時は過去からの続きであり、未来は今からの続き。決して切り離す事が出来ない時間の連鎖なのだと、私は思いました。どんなに切り離した過去を封印しても、消滅する事はないのです。忘れたい事を排除しても解決した事にはならないのですね。
人々が絡み合っていく様も、そこには何か意味があるのかもしれません。
ラストには因縁みたいなものを感じる終わり方でした。
でもだからこそ、私は満足みたいなものを感じました。

ただ、終わり近くに起きた悲劇はかなりショックでした。電車の中で読んでいるので、無表情でいることが辛かったです。

この物語は犯人とのサスペンスばかりではなく、二人の女性の私生活にも踏み込んでいて、その愛の悩みや家族との確執などが描かれています。
そんな所が、海外ドラマのティストを感じました。

シェリーは盲目の美女。格闘技にも優れ、その昔に何かがあった不透明な過去の持ち主です。魅力充分でシリーズ化の予感がしました。二作目は2007年には「Last Breath」をは発表しています。彼女の過去が明らかになるのかというところがポイントかも知れません。

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