「なくなパリっ子」が「週刊少女フレンド」に掲載されていた頃、私のお気に入りのもう一つの漫画が、この「白鳥少女」だったのです。
日本人は「鶴の恩返し」や「狐女房」のような、動物が人に化けて繰り広げる物語が好きなのではないかと思います。この「白鳥少女」はタイトル通り白鳥の化身です。
いくらなんでも物語などは覚えていませんが、かなりハラハラした展開だったと思います。
と言うのは、少女はある一定時間になると水辺に行ってその変身を解くか、または休むか、叶わぬ時は、最低の水分補給が必要だったんじゃなかったかしら。水辺がなくて、ヨロヨロと倒れ、せめて一杯の水を求めて助けを乞う、そんなドキドキするような設定もあったような気もします。
これはこの記事を書きだしたら、なんとなく思いだした事なんです。
私がはっきり覚えているシーンは、少女が着ているコートの上に、男がジュースをこぼしてしまうのです。
「あっ、シミになってしまう。」と思うのですが、そのジュースはコートの上でコロコロとはじかれて、コートには何のシミも残らなかったのです。それを見た男は驚いて、なんて素晴らしいコートなんだと、自分の娘の為に欲しいと思い盗んでしまうのです。
― なんで昔の少女漫画は、道徳心のないやつが普通に登場するんでしょうね。
もちろんそのコートは不思議な少女にとって、ただのコートではなく体の一部です。
丸裸にされて冬の街に投げ出された白鳥のようなもの・・・・・
最初に言いました通り物語の展開こそ覚えていませんが、けっきょく少女漫画ですので、なるようになってハッピーエンドだったと思います。
だけどオシャレの為だけに動物の体の一部は貰わないと言う気持ちは、こんな所から培われたのかも知れないと言っても、それがまったくの大ぼらと言うわけではないと、私は思いました。
この漫画は細野みち子さんの作品です。漫画の原作があってその作者が中尾明さんなんです。中尾さんってどんな方と検索して、私は吃驚しました。この方は翻訳家なのですが、SF小説なども執筆していて、私が中学の時に図書館で見つけ夢中になって読んだ「黒の放射線」の作者だったのです。
この「黒の放射線」の事は別枠で書きたいと思います。
また細野みち子さんの代表作は「おはようエルザ」と「金メダルのターン」。
「金メダルへのターン」はドラマ化もされて、あの頃、荒唐無稽な技を競うスポコンものが流行り、これもその一連の流れでヒットした作品だったのではないでしょうか。漫画の「金メダルのターン」は結構面白く読んでいたように思うのですが、これもおぼつかない記憶ですが、ライバルになりつつあったちょっと不思議な感じの少女が性別チェックで引っかかったあたりとか、飄々とした性格をを描くのに、動揺しているヒロインに「ガム食べる?」と顔色を変えないで言うシーンなど、理解が出来ないまま物語から離れたか、もしくは物語が終了したかだったと思います。
ところでその細野みち子さんの漫画の事などをリサーチしていましたら、またまた驚く事を知ってしまいました。
ある方の2010年に書かれたブログに、彼女の講演会に出掛けた事が書かれていたのですが、そこに横浜カルチャースクールで礼法を教えているのだとあったのです。
今はどうなのかと調べたら、そのカルチャースクールの講師欄にお名前がありました!
今も現役の礼法の先生なんですね。
素晴らしいな♪
歩く道は違っても、生涯現役に変わりはないって事ですよね。
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