ワタクシも少々運も良くここまで生きてきましたので、好きだったものの想い出が蓄積されて私の人生を煌めいたものにしてくれているのだと思うのですが、残念な事なのか素晴らしい事なのか人には忘却と言う機能が備わっているので、相当の量のその煌めき素材を忘却の彼方に捨て去っているのだと思います。
それでもその中で手のひらに落ちた水滴のように思い出が残っていくものは、凄く大好きだったかよほどの印象があったかだと思います。
少し前の記事の「黒の放射線」は中学時代に読んだ本の想い出です。その本の事を書いたのでついでながら、その繋がりで好きだったドラマの「タイムトラベラー」の想い出を語ってみたいと思います。
この「タイムトラベラー」と言うタイトルを聞いて、懐かしく思う方は私ぐらいの年代の方には多いのではないでしょうか。
その方々にはご存知の通り筒井康隆氏の「時をかける少女」が、このドラマの原作です。
その「時をかける少女」は「黒の放射線」と同じく、「鶴書房盛光社 (SFベストセラーズ)」の中の一冊です。
そしてその「タイムトラベラーズ」はNHKの「少年ドラマシリーズ」の1作目の作品でした。←「少女」はないのか?
実は中学生のその頃、「時かけ」は読むのをなんとなく避けていた作品でした。それはタイトルで中身が読めると言うか、それで面白いのか疑問に感じていたからです。でもドラマを見て考えが変わり、ドラマの後に読んだのではないかと記憶しています。
それはまったく壮大じゃない、身近なタイムトラベラーの物語でした。ヒロインの少女の芳山和子が中三だったと言うのも感情移入しやすかったのですよね。まだ身近な花ではなかったラベンダーと言う花にも憧れました。そしてケン・ソゴルと言う未来人の少年にも。
だけど、一番心惹かれたのは、ヒロインでした。この時ヒロインを演じたのは島田淳子と言う少女で、のちに浅野真弓という芸名にかえて、更にその後には柳ジョージさんの奥さんになられて女優を引退したのでした。
私は彼女の事が、この作品からずっと好きでファンでした。
今では天と地の差が付いてしまったと思いますが、そのドラマが放送されていた頃、ちょっとだけ似ていると言われたこともあるんですよ。
でもたぶん似ていたのは、髪の長さだけだったのかもしれませんが・・・(^_^;)
とにかくその頃の彼女は、本当に光り輝いていました。
「時をかける少女」を今も色褪せない名作にしたのは、映画版の原田知世とこの「タイムトラベラー」の島田淳子(浅野真弓)の二人の少女の力によるものではないかと、私は思うのです。
と言っても、その後、「時をかける少女」はドカドカと映画化・ドラマ化されているんですよね、実は・・・・・。
あまり興味もなかったのか、私は知らないのです。
と言うのも「タイムトラベラー」がかなりの人気を博したので、その後ライターさんのオリジナルで続編も作られたのです。その時の最終回で、ケン・ソゴルのセリフにもあった事なのですが、この物語がとても素敵で甘酸っぱい青春物語とは言えない残酷なものであると気が付いてしまったからなんです。
すべての事件を解決して、その出来事に和子をどんなに巻き込んでも、最後はその記憶をすべて奪って去って行く未来人。
人の記憶を奪うことの残酷さに、本当に虚しさを通り越したものを感じたのです。
だけど、今でも耳鳴りなんかが「キーン」とした時には、
「あっ、耳鳴り・・・」とか言った後、それが納まると
「今私は、遠い過去に行って大冒険をしてきて、そして戻って来たところかもしれない。」と必ず思うようになりました。
ただ大冒険の記憶は、未来人によって奪われてしまったと言うわけです。
このように、未だに「『タイムトラベラー』後遺症」は続いているのです。
※ 「時かけ」は他の映画などに興味はないと言いましたが、実はアニメ版は見たのです。
あれは元気が出ると言う感じがしてイイナと思いました。
それで面白い記事を見つけました。
→「時をかける少女」ドラマ化で露わになった「世代断絶」 筒井康隆も、原田知世も知らない?
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