「どろぼう天使」は大和和紀氏のデビュー作です。
その主人公のジャック・エンゼルに、小学生の私は一目ぼれ。1966年の「週間少女フレンド」に掲載されたそのデビュー作を、私は繰り返し読みました。
ジャック・エンゼルと言う青年は、少年院を出てきたばかりのどろぼうでした。
少年院の人が「どうせすぐ戻ってくるさ。」などと言いますが、それを武骨そうな刑事が「帰ってくるんじゃないぞ。」と強く激励するのでした。
だけどジャックは、全く改心などする気もなく、少年院をでると、今日の糧を得るために今日の仕事をしようと思うのでした。さっそくスリをし、まんまと上手くいくのでしたが、付けてきた刑事に見つかり、財布を拾ったと返し教会の地下室に逃げ込むのでした。そこにはワンコの相棒が待っていました。
ところがその夜忍び込んだ家で、足の不自由な少女に出会います。その少女はあろうことか、ジャックを天使と間違えてしまうのです。「名前は ?」と聞かれて「ジャック・エンゼル」と答えると「やっぱり、そうじゃない。」と、喜びます。
ジャックは、その穢れのない少女との出会いでどろぼうから足を洗い、まじめに働き始めます。
見守る刑事もホッとしたりして・・・・・。
だけど今度は、その少女の家に、家賃滞納の問題が起き立ち退きを迫られます。
そしてジャックは・・・・・・。
このお話、好きだったからこんなに覚えていたと言うわけではありません。
なんたって、私の年齢的も、まだ一ケタの時代ですから、「ジャック・エンゼル大好き !」ぐらいしか記憶がありません。
下に紹介してある本に、そのデビュー作が載っていたのです。
それを読んで本当に感心しました。
しょっぱなから、私がこの人に心惹かれたのは無理のない事です。
確かにスクリーントーンの多用など無く、色合い的に行ったら、さっぱりした感じです。でもジャックのハイネックの黒いシャツとブレザージャッケトのいで立ち。凄くお洒落なんです。
これ、ルパンの前ですからね。しかも彼は少年。
不良少年・見た目と違って優しい刑事・治りそうな障害のある足の穢れなき美少女。そして相棒は犬。
もう、なんかさあ、なんかどっかに文句あるかと言う設定ですよね。
作者も気に入っていたのか、または私のような少女が多数い居て人気があったのか、作者はこのデビュー作のキャラで5話描いたのです。
だからこれはコミック化されたのですが、じゃあと言って、いつものようにアマゾンのお知らせは貼り辛いです。なんたって4000円ぐらいするものね。
そんなに好きだったら買っておけば良かったな・・・・・・(もしかして、不純な動機か?)
でも小学生のお小遣いって、そうそう高くなかったし、その頃は読んだ作品のコミックって買わなかったような気もします。
大和和紀氏の名前を出して「はいからさんが通る」も「あさきゆめみし」もスルーするわけにはいきませんよね。
と言うわけで次回の「☆私の漫画史」に続きます。
・・・・