と言う、竹宮惠子の自伝エッセイを読んだ時に、その感想の中で
>「私は氏の多くの作品が未読です。
「紅にほふ」と「吾妻鏡」はぜひ読んでみたいと思います。」
と、書きました。
思っていても、実行に移すまでは少々時間がかかる私です。
だけど今は「鎌倉殿の13人」も放送されているわけですし、読むなら今だなと思いました。
これを読んで、一番最初に思ったのは「竹宮惠子さん、頑張ったなぁ !!」でした。
この本は「マンガ日本の歴史」ではなくて、「吾妻鏡」と言う古典の漫画化。漫画で描かれた歴史と言うよりも更にズシリと重かったです。
そして私は甘かったと思いました。漫画なので、この上・中・下の三冊を1日で読めるなどと思っていたのです。
内容深く丁寧で、そんなに簡単には読み切れませんでしたが、作者がこれに掛けた時間と情熱を思えば、それはそれで正解だったと思います。
「吾妻鏡」は鎌倉時代の公用記録書で1180年から1256年まで編年体で記されているものです。
徳川家康も愛読していたとされるそれは、中世武家社会を知る上の重要な資料の一つでもあり、ゆえに相当硬いです。「なかばあたりまでは、まだまだ固いし、絵も慣れない。」と、作者自身もあとがきで語っていますが、この難解な古典の漫画化に作者の気負いもあったように思います。
それにひとつひとつのエピソードが薄くも感じられます。だけど編年体で書かれた資料のような古典を、欠落した部分を他の作品で補いながら269×3ページで描き切ったのは見事だと思いました。また要所要所で作者の細かい部分での工夫も感じられて、時にはクスリと笑えました。
だけどもしも「鎌倉殿の13人」を見た後で、彼女がこの作品を手掛けたら、もっと彼女らしい何かを見る事が出来たのではないかと思ってしまいました。
少なくとも、キャラデザインは変えたと思う・・・・・^^
畠山と義経はハンサム枠はいつも決まりのようですが、義時とか三浦義村とかも・・・(^_^;)
「鎌倉殿の13人」がコメディのようだと思うシーンもあるけれど、「あれで、あのノリで良いのだ。」と強く思いました。そうでなかったら、この時代、本当に辛すぎます。
漫画になっているにもかかわらず、そうとう暗い気持ちになりましたから。
内容については、今やっているドラマのネタバレにもなってしまいますので書きませんが、
かなり学ぶことが多かったです。またドラマの感想の時に、知ったかぶりをして(笑)書くこともあるかもしれません。
また、やはり「吾妻鏡」と「平家物語」は表と裏のような気がします。
壇ノ浦の決戦の詳細は、ほとんど「吾妻鏡」には載せられていないそうです。
それから教科書で「平家物語」を学ぶとき「敦盛の最後」はよく出てくるエピソードです。平家物語では熊谷次郎直実の出家は、この時の敦盛の首を取った事が理由であるかのように書かれていますが、「吾妻鏡」には違う理由が書かれていると言う事は、かなり驚かされた内容でした。
やはり「平家物語」も読んでみたいものだと思いました。
・・・