森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

約8年 その15

2022-11-11 10:49:17 | ランダム自分史

約8年 その14

約8年 その13

の続きです。

 

「4人も姉妹がいると、中には気が合わない者もいますよ。」

そんな事を友達に何気なく言ってしまっていたのは、あれは父が亡くなる少し前あたりの頃だったと思います。

スノウさんの場合は、長い人生とは言えなかったかもしれませんが、それでも思わず「波乱万丈な人生になっちゃったね。」と言ってしまうほど、彼女にはいろいろな事があったのです。

そんな中で、どんなに明るくふるまっていても、ちょっと心がすさんでいた頃があったのかも知れません。

特にお酒が入ると、攻撃的になっていたのです。誰にでもではありません。私にです。

ところが彼女は私に対して言ってるつもりでも、先に周りに居た人が眉を顰め逃げ出したり、先に怒りだしてくれたりで、かなり墓穴を掘っていたと思います。

今でも思い出すと、一族全員が集まった時に、「なんだって、あの時、彼女は・・・・・」と思う出来事があり、その時は先に父が逃げ出し、1か月後に又実家を訪れると、ずっとモヤモヤしていたのか、父の方から話題に振ってきました。そして彼女は「酔った時は要注意」人物になってしまいました。

またもところが、要注意なんだから身構えるぞと思っても、酒豪の彼女は少々飲んでも顔色変わらず、いったいどこら辺から酔っているのか分かり辛らかったのです。だから身構える前に爆弾投下されることもしばしば・・・・(/_;)

で、ある時私は言いました。

「あのさ、君さ、酔うと人格変わるの知ってた ?
でさ、しかもどっから酔っているか分からなくて、いつの間にか酔ってるのよね。今度からさ、『もう酔っていますよ~』ってサイン送ってね。」

実はこの「酔ってますよ」サインの話では、お酒飲みながら、ちょっとだけ盛り上がった話題になりました。

なんでも楽しくしてしまうのが我が家流ってなところですが、彼女の私への攻撃は、何も酔っている時ばかりではなかったのでした。

もちろんそれは攻撃というほど過激なものではなくて、いわゆる「文句」と言うものです。

あの時も、この時も、あれもこれも、もうてんこ盛り。

普通だったら、もう決裂だよ、スノウさん !!

 

だけどそうはならない。

私たちは姉妹で、私がお姉ちゃんだから。

それで喧嘩になる事もなかったけれど、ある時に、私は疲れてしまって、「気の合わない者もいる。」と言っていたのだと思います。

もちろん妹が病気になってからは、そんな事は棚の上です。

気が合う、合わないなどと気が止むのは、それは何事もなく平安な時だからで、一大事な事が起きたら、「どーでもいいや」的な案件になってしまうのではないかしら。

 

だけど愚痴る。誰にかと言えば、私の受け皿は姉の蝶子さんです。

蝶子さんはいつも言いました。

「それはスノウさんが、花ちゃんをライバルだと思っているからだと思う。」

「ライバル !?

あの人何もやらないじゃん。ライバルだなんて100年早いわ。」

この「何もやらない」と言うのは、我が家的イベントに限ってのお話です。

みんなからリクエストを聞いて企画してリサーチしてプランを決めて、ホテルの予約して、交通手段を調べて、チケット取って、時にはタクシー会社にも電話する・・・・そしてスノウさんに文句を言われる・・・と。

家でのパーティ。企画して買い物して作って片付けて。確かに盛り付けと片付けはお手伝いはしてくれたよね。で、やっぱり文句を言われて。

あの・・・・それ、やりたかったんか、君 ?

 

じゃあ、どんなことがあってどんなことを言われたのかなんだけれど、そこは書かない方が良い事なんですよね。元々、あまり悪口はかかない方です。だけどある時、あまりにも酷い時があって、ついつい書き込んでしまった事があります。

『16日の夜、私は湯船につかりながら、ある事で心の底から「嫌だなぁ」と思い疲れ果てていました。腹を立てたり怒ってみたり・・・・って同じ事か。

だけどそうそう、人は長々と怒ってはいられない者なんですよね。』

これは、2020年2月15日にみんなで会った時の事。←「2月の飾りはお雛様

これではなくて他にもあったような気がするのですが、見つけられませんでした。でも書き込んであるのは、やっぱり何も具体的な事はなくて、「みんなが凍り付いた嫌な発言」的なような事。それを読みなおして思ったのは、上の記事の「嫌だなぁ」に対してもそうですが、「なんじゃそりゃ?」です。

何があったのか、彼女が何を言ったのか、すっかり忘れてしまってまったく意味もない事です。

「嫌な事は、『言わぬが花』だなぁ。」としみじみと思いました。

上に書いた、

>『あの時も、この時も、あれもこれも、もうてんこ盛り。』の部分の出来事は、実はほぼみんな覚えているのです。

私は、楽しかったことも嫌だったことも、勿体ないので忘れないように努力するタイプ。

嫌だった想い出も、捨てたくないと思う「捨てない族」の強者なのです。(笑)

せっかく経験して学ぶことがそこにはあるのに、忘れてしまっては同じ事を繰り返すじゃないですか。

だけど、あの時この時の彼女の発言を忘れてしまったのは、「辛い」と書いて捨てたからなんだと思いました。

そしてこの先、きっといろいろと忘れていってしまうと思います。楽しい想い出以外は。

 

スノウさんがほとんどベッドから離れられなくなった頃、二人だけで電話で話す機会がありました。彼女が私たちに順番に電話を掛けて来たからです。

その時、あれやこれやの楽しい話の時に、私は言いました。私はもう、私たちの間に一つもわだかまりの様なものを残したくなかったのです。私たちの心の矢印は、すべてスノウさんの方に向いていたし、心の底から彼女を大切に思っていたからです。

「だから君さ、私に文句言い過ぎじゃん。」って。

するとスノウさんは間髪入れずに

「仕方がないよ。花ちゃんはライバルだから。」と言ったのです。

「えっ !? ふーん、そう。」←間抜けな返事。

 

それは少し驚いてしまったから。

その話を蝶子さんにすると、彼女も驚いて、

「それ、あの子が自分で言ったの ?」と言いました。

その言葉、蝶子さんに言われるのと、彼女本人が言うのとでは、若干意味が違うように私は感じました。

何故、ライバル ?

と、私は真面目に思うからです。

あまりスノウさんとの最後の日々に後悔はない方だと思うのですが、実はこの時の間抜けな返事には、少々の悔いがあります。

ちゃんと言ってあげれば良かったです。

「そうね。確かにあなたは私にいろいろと負けてると思うわ。

だけど私もあなたにはメチャクチャ、いろいろな事で負けていて、いつも凄いなと思っていたわ。」って。

 

そう言えば、蝶子さんのお友達のかなりの霊感の持ち主のお友達が、私の夢の話を聞いて

「スノウさんは夢の中で話しているの?」と言い、蝶子さんがそうだと言うと、

「じゃあ、まだ、傍に居るね。」と言ったのです。

 

と、言うわけで、これがあの時のお返事よと、振り向いて誰もいない空間に呼びかけてみる私。

 

※ 今の私は少々疲れていて「勝つ」という強い言葉は使いたくないので、ネガティブっぽいけれど「負ける」と言う言葉を選択しました。

夫の兄はおととい電話で「今日か明日」と命の終わりを告げてきましたが、その明日と言う時間を無事に通過したみたいです。

私は膝痛に加え、今日はなんだか腰痛も。

姉は膝の手術をして入院中。認知症の症状が日々更新している母のお世話を義兄が一人で頑張ってます。

私は今日から日曜日まで、ほんの少しのお手伝いに行きますが、その家の家族の生活のリズムがあるので、どれだけ役に立つかは分からない事です。

あー、なんか疲れる。だけど負けないぞ~。

 

 

 

 

 

 

 


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