何気にシリーズ化していた「あのチョコレートは美味しかったですか」と言うのも、とうとう最終回です。
残念ながら、想い出は限りなくあるわけではないからです。
もちろん学生時代にも、一番気に入っていた恋人未満の青年にあげたりしましたよ。でもそれは、なんとなく日頃のお礼みたいなものだったように思います。
夫には知り合ってからずっと渡し続けてますが、完全な儀式。だって、私、彼にチョコレートで愛なんて伝える気なんかさらさらないですもの。楽しい行事として参加し続けてきただけです。
私にとってのバレンタインディーは、あの日のあの一回だけ。
バレンタインディーと言う山に挑んで、完全燃焼した自己満足の一日。
緑子(もちろん仮名)は私の中学生時代の親友ですが、その彼女とのバレンタインディー顛末記は「あのチョコレートは美味しかったですか」と言う記事の中で書きました。
霧の早朝、窓から忍び込む学校・・・
青春の想い出は、いつも煌いているのです。
私は、緑子のバレンタイン大作戦に参加しながら、
「なんて、緑子は大それた事をするのだろう。」と思っていました。
だって、バレンタインデーなんて、今でこそ猫も杓子もと言う状態のイベントですが、私が中学一年生のときは、そうでもなかったのです。緑子はまさに先駆者なのです。
そして、私は彼女をちょっと羨ましく思っていたのでした。
バレンタインにチョコを渡す少年がいる事にではなく、本当はそんな大それたことが出来る、チャレンジ精神に。
だから思いました。もし来年、好きな男子がいたならば、私もこのイベントに挑戦しようと。ある意味決意。
名付けて「何故山に登るのか、そこに山があるからさバレンタイン大作戦」。
本当にそんな名前だったのかなんて、思ってはいけませんよ。今私が名付けたのですからね、真に受けてはいけませんって。
でもその時は、かなり真剣だったのですよ、ワタクシ。
と言うわけで、<4-2>に続く。
最終回なので、長いのです。
「あのチョコレートは美味しかったですか3」は→こちら
ショートショートの感覚で書いた
「あのチョコレートは美味しかったですか<2-1>」→こちら
「あのチョコレートは美味しかったですか<2-2>」→こちら