「キイジョウロウホトトギス」(紀伊上臈ホトトギス)は、
紀伊半島南部の固有種で、山中の湿った崖に自生します。
「上臈」とは貴婦人とか高僧とかをさし、
江戸時代に大奥女中の役職名として使われ、
気高い、品があるといった意味を含みます。
6号深鉢に生きたミズゴケで植え、長年維持しています。
9月末、初めの1輪が開きました。
3本花茎を上げたうち、短い花茎の先に着いた花です。
陽射しに弱いので、自宅北側の山草棚に置きましたが、
夏の異常高温で葉焼けしました。この日は31℃を越えました。
10月初め、長く伸びた花茎は30cm余りです。
黄色い花は釣鐘状で、下向きに咲きます。
茎は分岐せず、葉が茎の左右に2列に並び、
葉腋に1個ずつ蕾をつけて、重みで垂れ下がります。
その2日後、
更に5日後、この間も最高気温が30℃に上がり、
鉢を玄関前に移したことで、こんな姿に、
本来の美しい開花姿とはなりません。
10月10日、最高気温31.8度、平年より10度も高い日、
名残り花をアップで見ます。
黄色い花弁は長さ4cm程、質が厚く光沢があります。
内側に紫褐色の斑点、雄しべが6本、
中央の雌しべは、先が3つに裂け、その先端がそれぞれ2裂します。