
聞こえてくる鐘の余韻が消えかかる頃を見計らって、ひと撞き、ゴォ~~~ン。
百八もあるという人間の煩悩。それらを払うために撞く除夜の鐘の音を聞きながら、ゆく年を送り、来る年を迎える。そんな交替の儀式か。
一年の終わり。やはり止めることのできない「時」というものを、強く意識する気がする。一区切りつけることで新しい出発を迎えようというわけだ。


頭上高く冴える月明かりは、本堂の甍を白く照らす。北風が白い雲を吹き払っていくと、やがて灰色の雲に覆われ雪がちらつく。厳しい冷え込みの大晦日となった。
「去年」から「今年」へ、「時」は静かに移ろう。
楽しかったJessie との日々への感謝。できることならいつも新鮮な気持ちでいたいと思いながら、薄ぼんやりしていく日常にカツを入れていただくような出会いへの感謝。友人の行動に巻き込んでもらって視野が広まった体験。学ぶことの楽しさ、磨き合うことの素晴らしさを感じる時間。心温まる積極的交流にのめり込む日々もあった。
思えば、新しいことの発見や出会いを感じる、喜べるってことは、心も錆ついていないってこと。これからも地道に自分の道を淡々と行くことにしようっと。ひそかに燃やす、いく様もの「こころ」を抱きながら、ね。
一年の計をたてる今日。この一年は、今日が初歩。
日記帳に書いておこう、私の思いを~~。
実は、「計」をたてるまでの余裕はなかった。早速に出遅れたのかしら…。