自転車で、最終目的地だけを決めて、気ままにこぎ出しました。どこなっと通ってみるものです。えっ!えっ? と、思わぬところにとんでもない?湧水がありました。
説明板によると、これは『枕草子』168段に登場してくる古い井泉ということになりそうです。「井は……少將の井。桜井。后町の井。」の桜井に当たると考えられると伝えています。浅いが、古くから旱魃にも枯れることなく湧き出しているとあります。井泉を囲った上部には「南無妙法蓮華経 桜井水」と刻まれた碑が建ち、今もお墓参りの供え水とされているようでした。山の斜面下、側溝に突き出たパイプからはちょろちょろと水が流れ落ちていきます。
【京都盆地の地下は「水盆」構造をしている。水量は211億立方メートルで、琵琶湖の8割近くもある。地盤は固いので、沈下の心配はない。】かつて、こんな新聞記事を目にしました。「不況で企業や染織業者の地下水くみ上げが減った」ためか、水位が回復している。その一方では、大量に地下水「取り放題」の施設が増えているとありました。地下水を公共財産と見なし、どう守っていくかの知恵が試されている、と結んでいます。
雨水が地下水となって…、この大量な地下水を水不足の際に役立てる…。そんな簡単にはできることではない、ようですか。
見えないところでは、静かに豊かに潤う領域がある。人もかくあれたら…。
鐘楼の瓦の葺き替えが、お盆が終わると同時に始まりました。瓦はすでに外し終えて、ただ今作業は小休止中です。職人さんの姿もありません。目下私もこやすみです…。