いつだったか随分前のことだが、庭師さんから「プロペラみたいにくるくる回って地に落ちる」と教えてもらったことがあった。楓の種(?) 可愛い花が咲いているのを楽しんでいたが、今はもうこうした赤い〈プロペラ〉を見かけるようになった。
散歩を兼ねて遠回りしながら近くのスーパーまで行った帰りの信号待ち。道路脇に見上げた柿の木に、花が咲いていた。よそ様のものながら、この木はおそらく渋柿ではないかと思っているが、毎年かなりの実をつけている。根拠は、なりっぱなしというだけ。我が家にも渋柿が1本あるが、柿スダレもいいなあと思いながら誰も手を出さない。
今の時季、柿若葉も美しい。
朝から曇り空で、夕刻遅くには雨が降る予報に、「トマトやキュウリが喜んでるよー」ってご近所さんが嬉しそうに笑う。丹精している畑に雨が待ち遠しいのだ。まだかまだかと待つトマト、キュウリ、それにスイカの苗??
「青葉雨」という季語がある。それに相当するのは、これまで「緑雨」だった。「緑雨」はアダルト向きで、「青葉雨」はヤング向きだ、と坪内稔典氏が私見を述べられていた。そして、
「緑雨です今くちびるに触れないで」(わたなべじゅんこ)を、
「青葉雨今くちびるに触れないで」と変えてみると、二つの違いがわかるだろう、と言われる。
「緑雨」は濃淡があって複雑だ。それに対して「青葉雨」は淡色、軽くあっさりしていて、今の時代の気分に合うかも、とのこと。
とりどりの若葉の緑、ちょっと楽しく鑑賞させてもらった。青葉雨、雨はまだこれから…。