京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

夜はテレビを消して

2023年11月01日 | 催しごと
今日から秋の古本まつりが始まった(~11/5)。



大阪の寝屋川から京阪電車で出てくる友人と、会場の百万遍知恩寺門前で待ち合わせる。
待っているとき、「本なんか読まへん」と言って自転車を押していく人がいたが、境内は老いも若きもでにぎわっていた。

文学者の評伝とか文学者による文学論といった類の文庫本を何冊か買った。

 例えばこれ。
毎日新聞文化面に週一で掲載された(‘00.4~’01.3)ものだという。24人の24作品を通して吉本文学論が読めそうだ。

  夏ごろに娘にと思って買っておいた『空飛ぶ馬』(北村薫)を読んでみて、その続き、「円紫さんと私」シリーズの2作目となる『夜の蝉』を100円で購入した。

【文章の静かな味わい。高雅な文体。抒情の精妙と知性と作の興趣とを兼ね備えた作家の一人】などと北村文学が評されるのを読んで、娘よりひと足早く【上質な紅茶の香り】を味わってみたかった。2杯目のおかわりはどんなもんかしら…。
娘に6冊ほど選んでもみた。

『等伯』を読み始めている。
長谷川信春(等伯)が能登の七尾を追放されることになる経緯は衝撃だった。妻子を連れて京へ、本法寺を頼って先を急ぐが、信長の比叡山焼き討ち、近江侵攻に遭遇し、難儀を極める…。こちらはストーリーで読み進む。

読み急いではいけない。そんな必要もない。
《読書は忘れた頃に知恵になる》と雑誌の見出しで情報を得た。この言葉に、「本も、人の中で眠るうちに育つ」という古井由吉さんの言葉が重なった。

夜はテレビを消して、…。
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