つわぶきの黄色い花が晩秋から初冬の庭の一画に、目も覚める鮮やかさで目に入る。脳天を一本何かがツーッと突き抜けるような晴々しさだ。
〈つはぶきはだんまりの花嫌ひな花〉と三橋鷹女は詠んだけれど、一隅を照らすほどの花の色の鮮明さに好ましい魅力を感じる。
早くも一番の見ごろは過ぎてしまった。
つわぶきと言えばもう一人、網野菊さん。
幼少時に実母と別れ、以後3人の継母に育てられた。
「母、母、母。母は沢山あるけれど、本当に心から甘え懐かしめる母は一人もない」と書いている(『おん身は花の姿にて』)。
生涯志賀直哉を師として文学の道を歩んだ菊さん。「不幸のときいつも文学に立ち戻る」とも。
網野菊の作品から感じられる〈ひとり暮らしの凛々しさが好き〉だ。〈孤独の内に砂漠をつくりあげることは誰にでもできる。しかし、そこに花を咲かせることができるのは、豊かな心だけである〉と江藤淳。
〈冬支度するも一人や石蕗の花〉
菊さんの、自身気に入っていると書いていたこの句を、やはり今年もしみじみ味わう。
明後日17日、孫娘は晴れやかに高校の卒業式を迎える。
当日はYoutubeで式がライブ配信されるとのこと、姿を探せるかどうか。
午前中に式典を終え、パーティまでの間に髪を整え、メイクしてもらって…。このための場所移動に運転手は大変だ、と言いながら親は出番を待つ。
「今日は友だちと“まつげつけにいってる”」
3歳。小さい頃から身を飾ることが好きだった…。
〈つはぶきはだんまりの花嫌ひな花〉と三橋鷹女は詠んだけれど、一隅を照らすほどの花の色の鮮明さに好ましい魅力を感じる。
早くも一番の見ごろは過ぎてしまった。
つわぶきと言えばもう一人、網野菊さん。
幼少時に実母と別れ、以後3人の継母に育てられた。
「母、母、母。母は沢山あるけれど、本当に心から甘え懐かしめる母は一人もない」と書いている(『おん身は花の姿にて』)。
生涯志賀直哉を師として文学の道を歩んだ菊さん。「不幸のときいつも文学に立ち戻る」とも。
網野菊の作品から感じられる〈ひとり暮らしの凛々しさが好き〉だ。〈孤独の内に砂漠をつくりあげることは誰にでもできる。しかし、そこに花を咲かせることができるのは、豊かな心だけである〉と江藤淳。
〈冬支度するも一人や石蕗の花〉
菊さんの、自身気に入っていると書いていたこの句を、やはり今年もしみじみ味わう。
明後日17日、孫娘は晴れやかに高校の卒業式を迎える。
当日はYoutubeで式がライブ配信されるとのこと、姿を探せるかどうか。
午前中に式典を終え、パーティまでの間に髪を整え、メイクしてもらって…。このための場所移動に運転手は大変だ、と言いながら親は出番を待つ。
「今日は友だちと“まつげつけにいってる”」
3歳。小さい頃から身を飾ることが好きだった…。