「あたしは月のように死ぬから」
「月のように、死んでも何回も生まれ変わる」
「月の満ち欠けのように生と死を繰り返す」
そしてあなたの前に現れる。
「自分が命を落とすことがあったら、もう一度生まれ変わる。月のように、一度欠けた月がもういちど満ちるように」
瑠璃という名を持つ女性の死。彼女がいつの日か、瑠璃という一つの名前でつながって、別人の3人の若い娘となって現れる。生まれ変わりを題材にして、ある男女の運命が様々な人の人生に絡まり、影響を与えていく。 【この娘が、いまは亡き我が子? いまは亡き妻? いまは亡き恋人?】
昨夜、第157回直木賞受賞作『月の満ち欠け』(佐藤正午)を読み終えた。
ラストでは、かつての恋人同士に出会いが用意された。文章の力で誘い込まれ、何度か後戻りしては確かめたが読み応えある作品だった。運命のうごめき、絡まりが何とも興味深かった。そして、一つ解きがたい謎を抱えたような気分も残った。
今日の朝刊では梅原猛氏の訃報を伝えていた。
かつて、氏が浄土信仰について、死後に極楽へ導かれる「往相回向(おうそうえこう)」とともに、人を救うために再び現世に帰る「還相(げんそう)回向」も忘れてはならない概念だと説かれるのを拝聴する機会があった。
親族が亡くなったとき、この子はおじいさんの生まれ変わりだなどと私たちはよく耳にする。そうした信仰についても、「遺伝子は生まれ変わりながら、この世とあの世の無限の往復の旅をしている。人生はそういう永遠の旅でもある」とお話に。
生まれ変わりをモチーフとした小説を読み終えたばかりという偶然性…。もう数年前のことになったが、氏のお話が思い出された。
興味ありますね。
そろそろ、あちらの世界が見えてきた
ような心地の今日この頃です。
生まれ変わることはあるのでしょうか..。
確認がとれない世界です。
親鸞聖人も聖徳太子の生まれ変わりと考えていたのではと梅原氏は言われてますが、
人間を遺伝子レベルで考えると、遺伝子は不死性を持っていて
永遠に生から死、死から生という具合に旅をしているんだそうです。
死んだことないからわかりませんね(笑)