時節が来ればこうして優しい花をつける。ろくに手も加えないままに上へと高く伸ばした山茱萸の木。赤い実を落とし、葉よりも早くに小さな黄色い花をつける。春黄金花(はるこがねばな)ともいうらしい。遠目ではかたまってみえるものも、一つひとつを覗いてみれば細やかな花だ。お隣さんと触れ合うこともない。
冬の蠟梅と並んで親しい生花店に“出荷”できるほどの、我が家に在ってはちょいと珍しく自慢の木。何せほったらかしが普段のことで、せめて根を張る自由を与え、“養分”と称して台所から出た生ごみなどを地中深くに埋めてやるだけ。たっぷりの滋養で春に、夏に秋にとそれらは姿を変える。ワサワサと葉音を立てる夏も涼しげだし冬の丸裸の梢も好ましい。
帰国直前からの風邪気味が長引いてけだるい毎日が続く。
ぽかぽか陽気を知らぬまま一日を過ごし、どうあっても今日は、と穴倉から抜け出してみれば、ちょっと寒いがやはり世は春。外の空気を吸いながら歩いて病院へ。遅まきながら道路沿いの紅梅を楽しんで満たされた思い。
美しき眉をひそめて朝寝かな 虚子
こんな艶っぽさもなく、咳で、熱で「寝るよりほかに私の夜はなかった」(「シジミ」石垣りん)わけだが、停まっていた所が少し動き出そうとするかの今日の気配…。
春に黄金の花が咲く…ええですね~。
やっぱり、そぞろ歩きが気持ちをほぐしてくれる季節ですね。
少しの重ね着がほどよく身体を温め、大股で一歩を踏み出すとポカポカに気持ちまで軽くなる…。
病院通いでは、目的はいまイチですが、新しく咲く花・今を盛りと咲く花に目を向けるのは、“動き出そうとするかの今日の気配…”そのものですね。
早く完全回復を…。お大事に。
思わぬ落とし穴にはまった気がします。
向こうでひいた風邪に日本の薬は効かないと娘が言います。だからこその病院受診ですのに長引いてうんざりです。やっぱトシかな~~と弱気が…
どうすれば早く回復すのやら、健康のありがたさ痛感しています。
昨日以上のポッカポカ陽気でした。