京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

ポップに乗った

2024年01月11日 | 日々の暮らしの中で
久しぶりに市内の新刊、中古書店をはしごして数冊を手に入れ、満たされた思いいっぱいで帰宅した。それなのに、時間が経つにつれて後悔ではないのだけれど(ああ、のせられたかな)という思いがわいてきた。


いやいや、乗ったのだな。

お名前はもちろん承知。でも作品を読んだことがなかった津村記久子さん。平積みされた本の周囲で、幾つものポップによる作品の紹介がなされていた。
ポップって販売促進のためと単純にとらえるだけの私は、これまでポップによって気持ちが左右されたことはなかったし、そもそも関心も薄い。

永江朗氏が「芥川賞、直木賞受賞作品は単行本ではなく価値が定まって文庫本になってからで十分。あえて読む価値があるのは、野間文芸賞、谷崎潤一郎賞、泉鏡花文芸賞、大佛次郎賞」と挙げられていた(『51歳からの読書術』)。
氏を信奉しているわけでもないが、そうか、谷崎潤一郎賞受賞作品であることに乗せられたのかもしれない。
ちょっと値が張ったので、納得感が欲しいのだろう。みみっちい性分だことね。


【「家出ようと思うんだけど、一緒に来る?」身勝手な親から逃れ、姉妹で生きることに決めた理佐と律。……希望と再生の物語】だそうで、
〈誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ〉と帯裏にある。

よく言われるけれど、本に手を伸ばす、そのとき、「何か不思議な力」が働いているように思える。やっぱり出会いは一期一会。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 能登の海は | トップ | こころが遊ぶ場所 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
津村記久子さん (Rei)
2024-01-12 18:07:13
今や人気の作家ですね。
多くの受賞もされていて。
作品は読んだことありませんが
お名前だけはよくしっています。
何冊もお買いになったのですね。
本は好き嫌いは別として、どのような読書でも
得るもにはあると思っています。
文庫本は買いやすく、持ち運びにも重宝、いいですよね。

等伯を描いたものは確か読んだと思います。
多分Keiさんからではと思います
返信する
どのような読書でも Reiさん (kei)
2024-01-12 20:44:02
書店では作品も作家名も目に留まるのに手にしたことがありませんでした。
ポップから実際にベストセラーが生まれたというケースもあるのだそうですね。

先日のヤマザキマリさんの『扉の向う側』は実に様々な出会いを日常にとらえていて、これからを生きるJessieにこそ読んでほしいと思うものでした。
でも日本語での読書がどうかなと思い、残念です。

出番待ちがいくつも控えていますのに、つい…。
返信する
能登半島 (サッ チー)
2024-01-13 09:44:42
おはようございます。
 こちら千葉ではとても冷えました。
 この様な時に能登半島での生活は??
 心痛む毎日です。
昨日は図書館へ行き「花鳥の夢」山本健一著
を借りてきました。
能登で生まれた作家の心情を少しでも心に入れたくて。
kei様は色々なジャンルの本を読まれていて、素晴らしいです。
私は1人の作家に夢中になって、図書館ではもう借りるものが無いとなります。
葉室 麟・原田マハ・五木寛之・城山三郎・
図書館の中で、教えていただいた「山本兼一」氏も
これからの楽しみです。
返信する
ひとりの作家に夢中 サッチーさん (kei)
2024-01-13 12:31:15
山本兼一さんの穏やかな笑顔はとても印象に残っています。
京都在住でしたので地元紙で時々お写真を拝見する機会がありました。
『夢をまことに』が新聞連載されました時は途中で挫折。
で本を買いましたが、もう長いこと出番待ちです。

ひとりの作家に「はまる」ということはありますね。
図書館の蔵書を読みつくすほどとはすばらしいです。
Reiさんがおっしゃるように「どのような読書でも得るものはあ」りますよね。
この勢いで「若冲」が読めるといいのですが、今一つ気持ちがむかないまま。
きっと気ままなんですね。
返信する

コメントを投稿

日々の暮らしの中で」カテゴリの最新記事