Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

飛天の話

2007-04-23 18:52:57 | 雑談
NHKの「シルクロード」によると、飛天はインド生まれなのだそうだ。
いつどこで生まれたのか不勉強なので知らないが、撮りためた飛天を比べてみた。


2世紀、アマラヴァーティーの飛天。背中についているのは衣なのだろうが、羽のようにも見える。西洋の天使はいつ、どこで生まれたのだろう?そしてインドの飛天との関係は?


7世紀、クルヌルの飛天。こちらは仏教ではなくヒンドゥー教。
 8世紀、アランプール 
 8世紀、パッタダカル 
 8世紀、エローラ
この時代がどうも飛天の最盛期だったようで、どのお寺の壁にもひざを折った形の男女の飛天が盛大に飛んでいる。

これがジャワ島にも伝わって、やはり8世紀のボロブドゥールの壁を飾っている。

ところが同じジャワでも9世紀のヒンドゥー遺跡、プランバナンの方には飛天はいない。流行が終わってしまったのだろうか。
従ってジャワの影響を受けたアンコールにも飛天はいない。こちらの壁を飾るアプサラやデヴァーターは踊り子や官女で、空を飛ぶ存在ではないだろう。
 


一方、北の方に眼を向けると、飛天は仏教とともにシルクロードを通って中国に渡った。
 これは敦煌の飛天ばかりを集めた写真集。
この本によると敦煌では4世紀後半の十六国時代から14世紀の元代まで飛天が描かれているそうだ。


一番古い十六国時代の飛天。ひざの曲がり方がインド的だが、既にインドにはない衣をまとっている。
 5-6世紀、北魏
 6世紀、西魏
 6世紀、隋
このたなびく衣は中国の大発明。飛天に関してはインドより中国の方が優雅でスピーディだ。

 12世紀、ラダックのアルチ僧院。
チベット仏教寺院では他に飛天を見た覚えはない。

25年前の「シルクロード」で敦煌の研究所長が飛天の夢を見た話をしていた。敦煌の石窟からすべての飛天が一斉に天に昇って行ったという夢。思わず鳥肌が立った。

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コメント (4)
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