この映画が俊英とも称される岩井俊二監督の映画なのかぁ…、と感ずると共に昭和男のお爺にはこの映画の良さを理解するには無理があるなぁ…、というのが観終えた後の正直な感想だったのだが…。
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一昨日(11月2日)午後、ユナイテッドシネマ札幌において岩井俊二監督の新作「キリエのうた」を観た。この映画を観ることになったのは、9月22日にアサヒファミリークラブ主催の「映画と握手」で上映された岩井俊二監督作の「Love Letter」を鑑賞した際に、この「キリエのうた」の招待券が当たったという幸運によって観ることになったのだ。
映画は約3時間に及ぶ長作だったが、東日本大震災をモチーフとして、若者たちが出会いと別れをくり返す様を描いたものである。ただ映画の要素はそれだけではない。「Bish」という元パンクロックのボーカルとして絶大な人気を誇った(らしい)アイナ・ジ・エンドという女性を主役に据え、彼女が映画の中で何曲も披露するという映画音楽の要素もある映画だった。
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※ 映画の主だった出演者。右から順にアイナ・ジ・エンド、広瀬すず、松村北斗、黒木華です。
映画は当初、登場人物間の相関図を理解することに困難を極めた。13年間という長い時間を描くために、画面が絶えず前後するためにお爺の頭の中は?マークのオンパレード状態だった。
特に主役のキリエ役のアイナ・ジ・エンドは、歌うことでしか “声” を出せない住所不定の路上ミュージシャンという役柄なのだが、映画の中では大震災において亡くなった姉の役も兼ねていて、それが前後して登場するものだから私の頭の中はこんがらがるばかりだった。その点は映画が進行するにつれて、もつれていた糸が解きほぐされるように徐々には理解できたのだが…。
私が映画の良さを理解するには無理があるなぁ…、感じた第一の点は主役のアイナ・ジ・エンドという歌手についての知識が皆無だったことが第一である。さらに彼女の歌声が絶賛されているが、私には彼女の歌の良さをまったく感得できなかった点がある。
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※ 主役のアイナ・ジ・エンドです。
また、登場人物の中でキリエのマネージャ役を自称するイッコと称する広瀬すずが登場するのだが、さすがに今をときめく人気女優である。画面での存在感は抜群だったが、ストーリーの中に登場させる必然性を私はあまり感じなかったのだが…。
映画では帯広の冬の情景が非常に印象的に描かれている。しかし、キリエの出生地は宮城県石巻市である。そこで東日本大震災に遭うのだが、そこで母と姉を亡くして帯広に転居したというストーリーなのだと思うが、そのあたりの説明がなかったこともお爺には映画を理解するうえで大変なことだった。
というように、昭和男の私には難しい映画だったなぁ、というのが正直な感想であるが、はたして若い世代にはどのように受け止められているのだろうか?
※ 使用した写真は全てウェブ上から拝借しました。