クラシックアンサンブルあり、合唱あり、音楽劇ありとバラエティーに富んだ集いは内容の濃いものだった。もちろんそれら以外の平和に関する催しもあった。時が時だけに、平和の尊さについても考えることができた「平和のつどい」だった。
「道南旅物語」を一時休止して、話題が古くならないうちに投稿しておこうと考えた。道南の旅から帰った翌日の5日(金)午後、札幌市教育文化会館で開催された札幌市の「平和のつどい」に参加した。
「平和のつどい」の内容は次のような構成になっていた。
◇弦楽四重奏団「クァルテット・ポッポ」のオープニングコンサート
◇「平和都市宣言30周年記念ロゴ」優秀賞表彰
◇「平和へのメッセージ」優秀賞表彰
◇ミュンヘン賞紹介
◇「平和大橋タイムカプセル」開封・お披露目
◇札幌市平和都市宣言
◇HBC少年少女合唱団ミニコンサート
◇音楽劇「桜の下で君と」アップダウンの二人芝居
というような多彩な内容となっていた。
8月は我が国にとって “鎮魂の8月” である。昨日6日が「広島原爆の日」、9日が「長崎原爆の日」、そして8月15日が「終戦の日」である。いずれもが我が国にとっては忌まわしく、忘れぬことのできぬ日である。そうしたことが再び起こらぬようにと、札幌市は1992(平成4)年に平和都市を宣言して今年で30周年を迎えることを記念する「平和のつどい」が開催された。
つどいのメインはもちろん「札幌市平和都市宣言」だった。札幌市の著名人、各種表彰の受賞者が登壇して、平成4年に宣言した宣言文が読み上げられた。
私たち世代をはじめとして、原爆や戦争の悲惨さを直接体験しない世代が大半となった今、改めて、そして意識的に啓蒙していく必要を感じる。
その啓蒙の在り方の一つを示したのが今回の「平和のつどい」だったのだろう。つどいの内容の中のいくつかについてコメントしてみることにする。
札幌市では平成16年に新たに豊平川に架けた橋を「平和大橋」と命名したそうだ。その「平和大橋」が完成した際に、橋の台座に市内の小学6年生に「平和のメッセージ」を書いてもらいタイムカプセルに封入したものを今回開封したということで、その中の一部が披露された。とても面白い試みだと思われた。
また「HBC少年少女合唱団ミニコンサート」は、「ウクライナへの祈り」と「紙ひこうき」の2曲を披露したが、「紙ひこうき」は市内の中学生が作詞した平和への想いを込めた一曲だったが、HBC少年少女合唱団のレベルの高さが印象的だった。
ハイライトは札幌出身のお笑いコンビ「アップダウン」による二人芝居 音楽劇「桜の下で君と」だった。内容的には太平洋戦争末期に鹿児島県知覧基地から特攻隊として飛び立ち命を散らした特攻隊員と教官の物語である。とてもお笑いコンビの演技とは思えない、シリアスな内容を真剣に演じた姿は十分な訴求力があったと私は見た。
世界的規模の諍いから遠ざかって70数年、世界は今きな臭い匂いが充満しているかのような状況に映る。数日前にネット上で印象的な一文に遭遇した。正確には再現できないが、「人間は他の生き物にはない “頭脳” を与えられ、その “頭脳” によって豊かで快適な世界を創り出してきた。その “頭脳” はまた世界を破滅させてしまう道具(兵器)まで作り出してしまった。世界を破滅させるような道具を捨て、豊かで快適な世界を持続させるための仕組みを “頭脳” は創り出すことはできないのだろうか」といった内容だったと記憶している。
私ごときの “頭脳” は取るに足らないものではある。しかし、その取るに足らない “頭脳” ではあっても、意志を示し続ける、声を出し続けることが大きな “頭脳” を形成させることに繋がっていくのでは、と考えた「平和のつどい」だったのだが…。と、こんなことを書くと「ガキみたいな青くせぇこと言うな」と一笑に付されてしまうのかなぁ…。