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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

対談 桜木紫乃 自らを振り返る

2025-01-23 12:14:13 | 講演・講義・フォーラム等
  直木賞作家で、江別市在住の桜木紫乃氏は、気さくな方だった。対談相手で友人の北大教授の岡田美弥子氏と、二人の交友や家族のことを隠し立てすることなくフランクに、そして気さくに語ってくれた。

 昨夜(1月23日)、連続受講している「労文協リレー講座」の第4回講座が開講され、受講しました。
 今回は、直木賞作家の桜木紫乃氏と、友人である北大教授の岡田美弥子氏「いつ学び、いつ活かすか」と題して、お二人の対談の形で講座は進められました。

   

 ここではまず対談相手である岡田氏のことを少し紹介せねばなりません。岡田氏は北九州市生まれで、60歳。北大に赴任して24年が経過し、専門は経営学ということです。
 その岡田氏と桜木氏はまったくの畑違いを生きてきた二人なのに、なぜ友人であるのか、というところから説明せねばなりません。
 
 お二人を結び付けたのは、5年前に二人が共に北海道文化放送(HTB)の番組審議会の委員となったことがキッカケだそうです。(今では二人は岡田さんが委員長、桜木さんが副委員長を務めているとのこと)
 そこで出会い、話をしたことで二人の波長が合ったことが始まりとのことです。そして二人はお酒も好きなようで、その頃から急速に二人の距離は縮まり旅行にも一緒に行くなど、いまでは何でも語り合える仲となっているとのことです。

 岡田氏は云います。「小説家と知り合うと自分が丸裸にされてしまう」と…。それは、桜木さんの作品の中にいつの間にか岡田さんが登場することが何度もあったということなのです。最近の作品ではついに「みやこ」という名前まで登場したそうです。もっともそれは、お二人の関係を知っている人以外には分からないものではあるのですが…。

 私は桜木氏の作品は直木賞受賞作の「ホテルローヤル」以外は読んだことがないが、彼女の作品の中には彼女の父親タケミツさんや母親がしばしば登場するようです。その父親を桜木さんは作品の中で「嫌な父親」として描くことが多いというが、昨夜の桜木さんは「父親を今も好きではないが、父親は人間の良いところも、悪いところも見せてくれた」と言います。そしてそのことを作品に反映できたと…。

 昨夜の対談は、主として桜木さんの作品を生み出す背景について語り合うことが主でしたが、桜木さんは身近な父母のこと然り、岡田さんとの交友のこと然り、人との出会いや交流から作品のヒントを得ていると言います。だから番組審議員会で出会う異業種の審議委員さんとの交流もとても興味深いと…。

 桜木さんがお付き合いする方は不思議と北海道、九州、大阪の人が多いそうだ。その三地域に住む人たちの特徴は、「人間が好きで、人間に興味がある」人が多く、「恰好付けない人」が多いのではないかと岡田氏は分析した。

 そして最後にテーマに関わって「学ぶ」とは、人との出会いから学び、「活かす」とは、その出会いで学んだことを仕事や自分の生き方に活かすということではないかと岡田氏はまとめられた。また「活かす」ためにはアンテナを高く張っておく、どうしたら良いのか悩むことも大切だと…。

 お二人の仲の良さを示すように時間を過ぎてもなお語り合うお二人に理想の友人像を見たようにも思われ、心楽しいひと時を過ごすことのできた一夜でした。




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