ハーバーランドは国鉄湊川駅の跡地で1986年に土地区画事業の大臣認可、87年に仮換地指定、事業コンペ決定であった。バブルの時期のコンペだ。ウォーターフロントであるが臨港地区の制限(旧運輸省)に対応し、土地区画事業(旧建設省)による整備ができた。1991年に建築協定認可、92年にデュオ神戸でJR神戸と連絡し街開きとなった。20haの規模でOBP25haより一回り小さく、同じく鉄道跡地である汐留の31haより小さい。また、乗り換えターミナルである三宮から2km離れている。(東京と新橋と同じ距離) バブル当時神戸は「海の手、山の手」で景気がよかったが、震災以降どうも都市の活力と財政が低下している感が否めない。都市計画面では「失われた景観」 松原隆一郎が参考になるだろう。また、神戸市には当面、神戸空港やスーパーコンピューターの課題もある。<o:p></o:p>
ニューオータニは2007年から営業終了の案内でこの12月26日に営業停止とある。他にホテルの開業もあるのに何故か。理由の一つに施設が連結したMXD(複合用途)であり独立したホテルの品格が醸し出せないことがあろう。外観からハーバーランドセンタービルと並びであるし隣接の集客施設の商業が西武百貨店の退店、神戸ハーバーサーカス(パソナ運営 セガが入居)、ビーズキス(ジオ・アカマツ運営 神戸スイーツハーバーとトイザらスが入居)、そして現在はファミリオとなっている。また、施設所有者も一部がSPC(特別目的会社)の所有となり運営もCushman & Wakefieldに変更されている。施設運営上の問題もあるのではないだろうか。<o:p></o:p>
高速道路向こうの駅前にあるハウジング・デザイン・センターは好調と聞く。立地だけの問題でもないようだ。<o:p></o:p>
ニューオータニもOBPで大阪城近くの都心とリゾートの中間で関西の拠点を作った。次に神戸を選んだのであろう。そのため、神戸ではビジネス・ホテルとリゾートの両にらみで、オータニ・インのようなアッパー・ビジネスの位置付けとなった。個人的には当時ホテル開発・企画に関わった。特に80年代はシティ・ホテルの開業ラッシュであった。売上も宿泊・宴会・料飲が1:1:1で、いまなら宿泊が基本に変化し1:0.5:0.5くらいか。なお、宿泊と宴会のホテルマンは羊と狼くらいの違いがあった。(運営志向とプロジェクト志向) 最近、周辺にはリゾート志向の開業が多く、シティホテルとしてはオークラがある。<o:p></o:p>
ホテルは伏魔殿で運営方式も自己所有、テナント(建物・FFE(家具・什器・備品)等は建物所有者)、運営委託(ホテル施設ほとんどが建物所有者、社員食堂の運営委託のようなもの Management Contract)、フランチャイズ(運営ノウハウ、ブランド名、送客契約 等色々)と多様だ。( 参考 http://www.tanikan.co.jp/report/01-4.pdf )ハーバーランドのニューオータニはテナント契約のようだ。<o:p></o:p>
さらに、グレードもシティ・ホテル ビジネス・ホテルだったのが、高級シティ・ホテル(リッツ、フォーシーズンズ 等) やお得なビジネス・ホテル(費用のかかるコーヒーハウスもなくて朝食に無料のパンなどが出るホテル 等)に広がっている。加えて競合相手として結婚式を例にとっても結婚式専門会場、レストランウエディング、二次会レストランなどの参入がある。<o:p></o:p>
今回の営業終了は、建物所有者との関係、施設のデザイン、集客施設の入れ替わり、運営の問題、ホテル間の競合などの要素があろう。<o:p></o:p>