吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

割箸事件

2008年02月15日 07時52分10秒 | インポート

 ワタアメの割箸が喉に刺さって埋もれてしまい発見が困難で翌日亡くなってしまったお子さんの事件はいまだ耳に新しい。ご両親が控訴するというニュースを本日聞いた。このような形の医療訴訟は近年増加傾向であり、自分はこのような裁判の成り行きにいつも注目している。なぜなら、もし自分がその時の医者だったら・・・と考えるからである。自分は救急医療を20年以上やってきたが、果たしてこれが自分だったら適切に対応できたかどうかいまだに不安である。どちらが正しいかについては言及しない。しかし裁判の結果一つで今後の救急医療はまた大きく様相を変えそうだ。もし有罪判決が出たなら「現場にそこまでのレベルを要求するなら、うちの病院ではそこまでの対応はとてもできない。救急医療から撤退します」という病院も増加する。また自分もそのような部署に勤務することをためらうだろう。 今回の事例では、自分がその当事者でなかったことが幸運としか言いようがない。 複雑であるが、ご冥福をお祈りする。