昨日、新聞で4月よりの医療保険点数改定が報じられた。産科・小児科、救急医療の分野への点数加算が決定されているが実に安直である。何故その部門で医者が足りないのか議論されているのだろうか? お金をつければ人(医者)が集まるとでも思っているのだろうか? 病院勤務医の場合、この部門に従事する者の給料はあがらないことは前にも触れた。しかし特にお金が安いから人が離れていくのではない。全力を尽くしても結果が悪いと「医療過誤か?」と言われ、近年すぐに訴訟になるリスクが高いことも原因の一つである。クレイマーやモンスターペアレントが増えたのも事実。しかし、どこも他に引き受ける病院がなかったので、やむなく専門外であったが脳外科医が収容、診療したら、その救急患者が亡くなったということで起こされた裁判が過去にあった。これは医師の全面敗訴という判例が出ているが、これが一番怖い。みんな「一生懸命仕事をして訴えられるくらいなら、診療しなければ怖くない」ということになる。