外来で「私、粉薬がのめないんです」と申告する患者さんには、錠剤があれば変更するし、なければ類似薬を探して処方することになる。最近、漢方薬の効能が注目を集めており、うちでもかなり処方する機会が多い。これは西洋薬にはない体質を改善する効果や、あるいは意外だったのであるが薬によってはかなりの即効性が期待できるものもある。ところがこの漢方薬は粉薬(顆粒状のエキス製剤)なのである。会社によっては錠剤もあるがその場合1日18錠くらいの大量を服用することになる。したがって粉薬のだめな人には治療の選択肢が狭まってしまうので、不利益なことになるのである。やはりどう考えても大人になるまでには「粉薬のステップ」をきちんとクリアしていくことが将来的な自身のbenefitのためにも必要なのである。飲める人と飲めない人では同じレベルの医療を享受できるわけではないのである。「え~、先生、わたしって、粉薬がダメな人なんですよー」と諦める前にもう一度「服薬練習」をしてほしいものである。今からでも遅くない。<o:p></o:p>