それにしても、現在の個人情報保護法は確かに少しは練れてきたもののまだまだその用いられ方には不合理なことが多い。施行直後は、よく事件関係の情報提供が警察から医療機関に依頼されてきたが、すべて「患者さんの個人情報なのでお答えできません」としていた。みんな情報提供することにビクビクしていた時代である。近年では、警察の捜査に必要な情報や公的業務における個人情報は業務遂行に必要欠くべからざるものであれば、比較的自由にやり取りができることになっている。ただしこれら公職にあるものは、秘密の漏えいに関して刑法、民法でも厳しく制限されているのである。つまりある意味、これらの職業のものは業務遂行に遅滞がないように個人情報を得る便宜がはかられるが、一度業務上知りえた個人情報の漏えいについては厳しく罰則規定が設けられているのである。<o:p></o:p>