この場合は不当な評価であってもいい結果に転がってくれているのであるが、よく考えれば(よく考えなくても自明の理であるが)、全くその逆のパターンも存在するのである。特に自分が「よしっ、よくこの難しい疾患を早期に診断できた」とか「ああ、今回の創傷の縫合は形成外科レベルでもひけをとらないくらいうまくできた」などという時が危ないのである。患者さんは自分と同じように考えて喜んでくれているとは限らないのである。もしかしたら「こんな変な病気、なんでもっと早く見つけられなかったのか?」とか「傷の仕上がりには到底満足できない」と思っているかもしれない。自分としては今の医療水準として十分良いものが提供できたなどと思っていても、患者さんにとってその専門性をもってご理解頂くのは無理なのである。だから診療の結末と彼らの満足度とは無関係のものであると実感している。今回のPC修理の手際のよさのみで、その係員の能力評価をしてしまったが、もしかしたらそれは実は「不当な評価」であったかもしれない。いやはや難しいものである。<o:p></o:p>