どんなビルでも建物でもタワーでも必ず非常階段というものがある。災害時、緊急時に必ず使えるものである。あの911の同時多発テロで貿易センタービルにいた人たちもこの非常階段を何百段も下っていち早く非難し生存した人も多かった。今回の地震で、エレベータが停止したのは当たり前である。地震でエレベータが停止したと報道こそされたがこんなこと別にニュースにしなくてもいいくらいの今の「災害日本」である。むしろ問題は、「次の手段」として当然使えるべき非常階段がなぜ使えなかったのかであり、むしろこちらのほうが根が深い。ところがそれについてニュースで解説されていないこと(注目されていないこと)に自分はとても不安を感じた。本来であれば「このような時のための」非常階段なのである。それが使えなければ災害における「自助」の道が閉ざされたことになる。防火・防災担当者の責任は極めて重い。またそれに注目しない報道の在り方も不思議である。