この消防局の迅速な謝罪会見は先手を打ったなと感じた。あとで問題化されていろいろ言われるよりも先に謝罪するというのは行動が早い。ある意味リスクマネジメントの一環であろう。ただしこれは運が悪いことが重なった結果であり、特に誰の責任でもなかったのではないかと思う。TVコメンテーターは「いくら通報常習者とはいえきちんと確認すべきであった」と通信司令員にその責があるような意見をいった。このコメンテーターは司令室の現場を知らない。東京消防庁の場合では1日1万件以上もの通報がある。それが同時に重なることも多い。その中でいかに通報内容だけで重症度や緊急度を推測するには発狂せんばかりの努力と集中力と持続力が必要なのである。その中で、ほとんど緊急性のない「常習者」からの通報は、やはり「オオカミと少年」的な感覚になってしまうのは致し方ないこととも思われる。