それからいろいろ考えた。間違いなく「違反は違反」なのである。自分が悪い。それがたとえウンコもらしそうなタクシー運転手さんの車であっても、足腰のわるいお爺ちゃんお婆ちゃんを家の玄関まで介助して送り届けるため、やむなく路駐した介護施設の送迎ワゴンであっても例外なく違反なのである。街のお巡りさんならそのあたりの事情は考慮してくれたかもしれない。一方、駐車監視員は血の通わない冷徹な「標章貼りマシン」であるならそれも否定しない。温情なく冷徹なまで法を施行するというのであればそれはそれでよい。しかしもしそうであるなら徹底してその冷徹さを貫いてくれないとこの監視員たちを尊敬することはできないのである。その後自分が確認したことである。明らかに数十分以上もの違法駐車している車の横を、「何事もない」かのごとく二人並んでその前を通り過ぎていく光景は極めて違和感を覚えるのである。また幹線道路に数台以上違法駐車している車の横を軽やかに、「その光景を見て見ぬふり」をしながら自転車で通り過ぎてしまう光景は、まるで大昔の映画「青い山脈」の銀輪部隊のような爽やかさを覚えるのである。