吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

転送患者さん その2

2016年06月04日 05時20分43秒 | 日記
 しばらく横になっていたら血圧は正常に復帰した。しかしあの衣類まで濡れている冷汗はただごとではないと思った。
 患者さんを説得しながら救急車をよんで、連絡を入れていた大学病院循環器内科へ転送した。

 そして数日後、大学病院から手紙が来た。心筋逸脱酵素も正常で、心エコーも正常であり虚血性心疾患は否定的と・・・。う~む、診断ははずれたか~と少し落ち込む(ま 患者さんにとってはいいんだろうけど)。

 その後、手紙を読みすすめてみると肝機能異常があり、腹部CT検査にて「総胆管結石性胆管炎」であったとのことであった。確かにお腹が痛かったはずだ。

 ま これも入院が必要な疾患であったので、まあ大きな病院への転送は間違いではなかった。しかも後日談ではそのまま手術になったとのこと。

 でも自分の思惑と違うところなのでちょっと微妙・・・。
 医師でも素人(不適当な表現であるが)では、「腹痛」ということで腹部疾患をまず考える。
 ところが今までこのような症状で、多くの「下壁心筋梗塞」が見逃されてきたのだ。

 Decision makingとしてまず心筋梗塞を疑ったのは間違いだとは思わない。
 次回同じ症状であってもやはり心筋梗塞の診断を最初にもってくるだろうなあと思った。
 でもなんだか負け惜しみかなぁ?