吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

PPK その2

2016年06月09日 05時58分33秒 | 日記
 実は救急車を呼んだ時点で、「安穏としたコロリ」ではなくなるのである。
 ま ご自分は逝ってしまうのでその後のことは分からないだろうが、残された人達が大変なことになる。

 まず救急隊は「突然の心肺停止です。蘇生処置します」ということになる。そして「持病はなにがあるのですか? え?吉田クリニックおかかり?」といってうちに電話をかけてくる。

 でもこちらから「あ~この方ピンピンコロリをご希望なので、そのまま何もしなくていいですよ」・・・・とも言えないので「いや特に致命的な持病はないのですが」という返事をせざるを得ない。すると救急隊は救命処置を始めてしまうのである。

 もしもご本人の準備がよくて?ご家族がすでにピンピンコロリを納得しており、また「何も延命処置を望まない」のであれば、電話口で「あ~、では午前中の外来が終わったら私が往診して看取るのでそのまま家に寝かせておいてください」ともいえるの。

 でも家族が本人のコロリ希望を知らなかったり納得していなかったりすれば、いまのシステムではその時点で「何かしなければ」ならないのである。