津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

立聞

2008-10-31 16:05:07 | 歴史
 「丹羽亀之允言上之覚」という文書がある。三齋死後の不安定な八代の状況を、本藩に報告したものである。約二年間十二通に及んでいる。これがいわゆる「立聞」といわれるものである。現代の我々が考えるようなものではなく、「情報収集」といったものであろうか。かって私はこのブログで「公安調査」と書いた覚えがあるが、三齋亡き後多くの人が離国するという噂や、宮松による宇土藩立藩の噂など八代侍衆の動揺や、これに対する本藩の監視が強化されていることが分かる。

 三齋の娘お万からの三千両の借金の話は、随分以前「お万様はお金持ち」でご紹介したが、これらの話も同様で、亀之允の言葉を借りれば立聞で「追々致言上候間乍恐御披露云々」としている。全て藩主光尚に報告された。此の金は返済されていない。私も、藩士の離国や本藩へ帰ったり又は宇土支藩へ移籍させられた人々の動きに大変興味が有り、「追々・・御披露」したいと考えている。
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史料纂集古記録編 泰重卿記

2008-10-31 15:02:10 | 書籍・読書

『史料纂集』には、土御門泰重の「泰重卿記」もある。泰重は細川藤孝(幽齋)の末妹(土御門久脩簾中)の子である。藤孝の甥、忠興の従兄弟となれば、読まぬわけには参らぬだろう。

【陰陽頭土御門泰重(一五八六-一六六一)の日記。慶長二十年(一六一五)から正保五年(一六四八)におよぶ。その家の職務とする陰陽道・天文道関係の記事もさることながら、公家の記録の少ない江戸時代初期の宮廷内における学問・芸能の講習をはじめ、学芸関係の記事に詳しく、また時あたかも徳川幕府の創業期にあたり、当時の公家社会と朝幕関係を見るべき好資料である。】

〔収録範囲〕 1625〔寛永2〕~1630〔寛永7〕
○中院通村伊勢物語進講
○将軍家光群書治要を献上
○南蛮鉄砲献上
○好仁親王に所領二千石を進せらる
○所司代板倉重宗を訪問学問雑談あり
○泰重の女徳川秀忠室の侍女に所望さる
○天皇古今御伝受
○終日新暦を調製
○近衛信尋の茶事に参る
○古写源氏物語を御覧に供す
○中宮(徳川和子)能十番を御催
○五十年来の大風
○廷臣の習学考試方法につき御沙汰
○一条家の漢和聯句会
○徳川秀忠上洛につき山科に出迎う
○伊達政宗より定家筆古今集を借覧
○二条城行幸
○玉林の立花を御覧
○池坊専好大砂物を製作
○漢和詩会を催す
○あやつりを御覧
○将軍家光乳母(春日局)拝謁勿体なき事なり
○三代実録により内親王叙品の先例引勘を命ぜらる
○後水尾天皇御譲位
○上皇摂政と御密談あり泰重所存を言上
○女院より女帝の先例を諸家に御尋
○上皇泰重を御使として譲位一件落着の旨を外様番頭に伝えしめらる
○中院通村百人一首を講釈
○詠歌大概書写



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お薦め

2008-10-31 08:21:52 | 書籍・読書

くずし字用例辞典


くずし字辞典を購入したいが、どんなものが良いだろうかとお尋ねをいただいた。
この写真のものは【くずし字用例辞典 児玉幸多/編 出版社名:東京堂出版 発行年月:1993年03月 価格6,090円(税込)】いわゆる普及版というものである。こんな処が良いのではなかろうかと、推薦申上げた。価格:13,650円(税込)の本格的なものもある。こちらも児玉幸多/編 出版社名:東京堂出版だから、お間違えないように・・・

 手ごろなところでは、【くずし字解読辞典 児玉幸多/編 出版社名:東京堂出版 価格:2,310円(税込)】がある。
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