今般わが史談会では、「代々御家老有吉家」から提供された有吉家文書(2010-06-06ブログ 有吉家文書-- 2)の内、「年中行事抜粋」を勉強する事となった。
細川藩領鶴崎(大分市)で船旅を終えられた参勤の一行は、野津原--今市(竹田領)--久住--内牧--的石を経て最後の宿大津に入られる。熊本へはもう僅か、一行は懐かしい国に地に入りほっとした事であろうし、一方お迎えをする側では慌しさをみせる。
○大津
御着座御迎之式
一、鶴崎御着岸御歓之寄郷有之/此節
御一門衆同席中三家嫡子共、於詰間
奉窺御機嫌候/大奉行/大御目附
其外例之面々、於口之間奉伺候/右伺之
稜付ハ御用番より請取候事
但大津御着御刻限ニ応し夕方又ハ
夜半より致出立候/其外之儀小姓頭手前ニ
扣有之候付略之
一、会所江着之上/御途中まて御小姓頭江
拙者罷出居候段、紙面を以申遣候、文格等
物書手前ニ扣有之候間略之
一、御郡代江茂右同断/且又的石
御発駕之御注進為知有之候様申越候事
一、御着坐前会所江御郡代相候間、致
対面候、御惣庄屋江茂右同断
一、的石御注進を承、浅上下ニて御茶屋江
罷出候事
但惣躰ハ旅宿江供帰いたさせ候は共、側役
一人草履取壱人ハ残し置候、是ハ
臨時用心ニ如斯申談相究候事
一、御茶屋御門ニ而下乗御玄関より上り
御用人間江罷通候事
但御着座前者取仕イ之人茂居不
申/御次小姓等着之上致給仕候事
本文之通候処/近年ハ詰間坊主二人
罷越候様申越候、同席旅宿へ参候事
一、御先番之御用人まてハ御取次へ申談
御着座前御居間向者拝見いたし候而も
宜候事
一、御宿人御注進ニ而御居間之御庭御中
門内御右側ニ罷出
御駕拝見候所二て/下坐御駕近付候節
御辞宜申上候得ハ御戸明ル、夫より御居間
之方向居被為
入之上立御供中江会尺いたし御用人
間江引取候事
但御居間御次より下り候而御着之上
元の通上り候/右之下口ニハ草履段々
出有之、雨天之節ハ手傘ニ而罷出候
是等之儀御次小姓御次坊主等江申付候へハ
都合能取計候/又ハ右御路次江罷出
候儀御玄関より致出入候茂支無之
其時者残置之側役并草履取召
連 御見懸ニ而無之所江退去
御着之上御中門外ニ早速罷越候様
申付置候事
(続)