先にお預かりしたO家の文書の中に、思いがけないものがあった。
O家の跡継ぎの方が初お目見えの際、鳥目三拾疋を支払った受け取りである。
びっくりした事の一つは御目見えにお金を納めなければならない事、もう一つはそれを受け取った音信所の役人が私の先祖だったことである。
印(眞)が押されてあり、音信所に勤めたという我が家の言い伝えとも符合した。
覚
初而
御目見之節被差上候
一鳥目三拾疋
右受取申候以上
巳五月二十八日 御音信所 印
□□□□□殿
さて鳥目三拾疋とはいくらぐらいであろうか? 30疋=300文 1文は10円~12円といいますから、3,000~3,600円といったところでしょうか。