津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■尚歯会

2017-06-18 21:31:34 | 歴史

 熊本藩年表稿、安永6年6月18日の項に「竜口邸にて尚歯会を催され、七十才以上の御知音老人を招き、又出入の者、家中の男女七十才以上の者に料理等下さる」とある。
宇野東風著「細川霊感公」に「養老」という項を立てて次のように記されている。

  齢は爵徳のニと共に、天下の達尊也、故に古来聖王賢主、皆老を養ひ給ふ、
  公亦特に耆老を憫み給ひ、町方在方の別なく、奉行所に命じて調書を進達
  せしめ、士農工商の別なく、年歯九十に達するものには、其の品位に従ひ、
  士分以上には目録を添へ、農工商には、金子に酒を添へて賜へり、然して
  此の恩典は、初めは年の六月に下賜せられけれども、六月まで半年を経過
  せむには、或は老木の風を待たぬ例もあれば、其の恩典に漏るヽものあり
  なむとて、遂に改めて正月十一日に下賜せらるることヽなれり、其の他鰥
  寡孤獨の救恤を怠らせ給うことなく、領内無告の民なかりき、
  (尚歯会については)
  嘗て江戸にて尚歯会を催し、七十歳以上の人々を招きて、終日饗宴ありて
  大いに歓楽を盡さしめ、壽字を蒔繪したる杯一個宛、萬歳杯と稱して、引
  出物にせられ、且つ賤者には金子を與へ、當日往復の輿料をも添え給へり、
  又女は同日小君の許に召して、同じく饗宴を賜へりとぞ、

  この尚歯会は御客、筑前・有馬備後守共八人、家臣・成瀬尉内共九人、町人・寺町百庵共五人、雑人・七人、女十九人とある。

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■しなす・・

2017-06-18 13:29:48 | 熊本

 ある本を読んでいたら「迷惑かけ候半ようしなす・・・」とある。「しなす」という言葉は現在ではあまり使われないと思うが、熊本の田舎ではまだ現役で使われている。自分の意思であることに変化をつける状態をいうのだが、例えば「いつもは手入れもままならない頭にパーマでもかけようものなら」、すぐさま「どうか、あーた(貴女)はえらい頭にしにゃーて(しなして)」と言われることになる。
「どうか」も熊本独特の「感心した時,驚いた時,あきれた時などに出る「うわぁ,どうだろうか」と言った感動詞」である。

「しなす」は「為成す・為做す」だが、先にご紹介したお堅い文のように、かって遠く都から伝わったこのような古語が、未だ田舎にこのような砕けた言いようが残っている。古語は時を経て方言として定着している。

 

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