神話の故郷、宮崎の高千穂では多くの観光客でごった返しているらしい。今日のメディアが伝えていた。
シーズンには車の渋滞が起きえらいことになっているらしい。メディアの報道は高千穂峡の貸しボートの値段が3倍に跳ね上がるということらしい。二人で乗ると5~6,000円だというから、これは異常だともいえる。
年間150~200万人がおとずれる神話の故郷が物議をかもしている。
最近私は長部日出雄著の「天皇はどこから来たか」を読んでいる。
神話論争の古くは、本居宣長と上田秋成の評価の違いに代表されるように思うが「邪馬台国」の所在については以降そのお互いの説を受け継いで議論が続いているようだ。素人には「大和国説」かなと思ったりしているが、熱い議論には興味が尽きない。
高千穂についても「鹿児島説」「宮崎説」がしのぎを削り、これが観光客を魅了しているようだ。
碩学津田左右吉先生のお説は、現在の「象徴天皇」を予見させるものであったが、熊本人・原理日本社の蓑田胸喜の訴えるところにより罪を得られたが、まさに先見の明であった。
蓑田胸喜は戦後天皇の人間宣言を受けて自裁しているが、裁判自体は戦前のものであり時代があと数年下れば津田先生も無罪であったのかもしれない。
その津田先生は、東征の出発の地として高千穂の地を否定しておられる。
長部の著書から引用すれば、「僻陬の地ヒムカが、皇室の発祥の地であったというのには、ほとんど根拠がない」と断じている。
しかしながら九州人たる私としては、神話の世界のロマンを高千穂の地に委ねたいと思うのである。
私は運転免許の期限が30日をきり、免許返上の前に車でどこかに出かけようと考えていて、高千穂を経て奥方の実家がある延岡まで足を延ばしてみようかとおもっていた。
しかし、片道3時間弱の運転は少々荷が重たい。今ではあきらめに似た心境になっているが、「皇室発祥の地」ともいえる「高千穂」を訪れることもない事だろう。