今年の大河ドラマは登場人物の入れ替わりが激しく、又いろんな俳優が入れ代わり立ち代わりで、若い人たちも興味がわくのではないだろうか。
こちらはと言えば「源氏物語」と共に「枕草子」も読まずばなるまいと思って、本棚を探すが見つからない。
いよいよ見つからなければ古本でも購入せねばならない。
また「御堂関白記」もちょっと読んでみようかと思うし「東鑑」も読まねばと考えたりもしている。
処で前回は藤原定子と清少納言の初まみえのシーンで、あの有名な白楽天の「香炉峰の雪」の話が出てきて、驚かされるとともに、大石静氏の脚本家としての力量を感じさせられた。
若い方々で知らない人は何の事と思われたろうが、私は「知っててよかった」とつくづく思ったことである。
下は清少納言の「枕草子」280段の文章である。この文章どおりのシーンがTVに再現された。
雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火おこして、物語などしてあつまりさぶらふに、「少納言よ。香炉峰の雪いかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑うはせたまふ。貴
時の貴族の女性たちの教育の高さを思い知らされる逸話だが、つまるところ「白楽天」の歌も承知ということである。
この後の定子の運命は、寂しいものとなるが清少納言が御側に侍っていたことは慰めであったことであろう。
今年のドラマは、目が離せないでいる。