Sightsong

自縄自縛日記

テヘラン現代美術館、絨毯博物館、アザディ・タワー、ホメイニ廟

2016-09-03 12:36:08 | 中東・アフリカ

空いた時間にいくつか。

■ テヘラン現代美術館

「The March of the Sun」という砂漠をテーマにした企画展が開かれていた。数々の風紋を凝視していると、実に不思議なものだと思えてきてしかたがない(ほとんどの写真が誰の手によるものなのか、わからなかった)。

実は、2012年に竹橋の国立近代美術館において開催されたジャクソン・ポロック展にも貸し出された「インディアンレッドの地の壁画」を観たかったのだけれど、収蔵品はほとんど展示されていなかった(1年に3か月だけ観られるそうだ)。仕方がないので、収蔵品のポストカードを何枚も買った(ポロック、ロスコ、デクーニング、デュシャン、ベーコン、ジャコメッティ)。庭にはジャコメッティやマリーニの彫刻があった。また来よう。


誰の作品だろう、「Spring」


マルコ・グレゴリアン「Dry Land」


ポストカード

絨毯博物館

古いものから新しいものまで、実に見ごたえがある。カマル・タブリーズィー『風の絨毯』にも描かれているように、ペルシャ絨毯はものすごく手がかかる作品であり、そこには技術が凝縮されている。タブリーズで20世紀に作られた絨毯の四隅には、面白いことに、アダムとイブ(禁断の実に手を出す場面)、ノア(山で十戒の石を見つける場面)、アブラハム(息子のイサクを殺さんとする場面)、ダビデ(羊飼い)が描かれていた。

 

 

■ アザディ・タワー

脚が四方向に広がった形をしたタワーであり、下に展示室がある。入り口にはツァイスイコンの35mm映写機があって、中にはイランの各都市を配した近未来風な展示があった。もうひとつの展示室には、イラン・イスラム革命の写真が展示されていて、ホメイニ師帰還と市民による歓迎、パフラヴィー王朝の崩壊の様子などを観ることができた。

展望台からはイランの市街を見渡すことができて愉しい。



ツァイスイコンの35mm映写機「Ernemann VII B」


イランの各都市



イラン・イスラム革命


アザディ・タワーのコンセプトと眺望


建設中のモスク


鳩の足はなぜか毛が多い

■ ホメイニ廟

入り口で靴を預けて入ると、広い空間の真ん中にホメイニ師のご遺体が眠っている。モスクそのものというより、みんな気軽な雰囲気でリラックスしていて、記念写真なんかを撮ったり、子どもを遊ばせたり(従って、これも不敬ではない)。天井の意匠など見事である。

 


旨いテヘラン その3

2016-09-03 11:01:27 | 中東・アフリカ

イランは基本的に外食文化ではないという。それでもなかなか旨い店があって、きっと住んでもストレスはたまらないであろう。

■ アイスクリーム

高さが30 cmくらいはありそうなソフトクリームがよく売られていて、その器械には蜂が群がっている。それは今度の楽しみだとして、スーパーで袋のアイスを買って食べてみた。クリームは味わいに欠け、コーティングされているチョコはすぐに剥がれ落ちる。タイに「パルム」そっくりな「マグナム」というアイスがあるのだが、そういえば、それも食べながら歩いていると道にチョコがポロポロ落ちた。このあたりは日本技術に優位性があるものと勝手にみなすことにする。


誰だ君は


「Yogo」


「Prima」

■ 日本食

テヘランには「Kenzo」という日本料理店がある。また、「Monsoon」という日本食とアジア料理の系列店もある。どこでも「ホソマキ」や「フトマキ」があって、結構旨い。ただ、ちょっと値が張る。イランでは酒を飲めないからまだマシだ。


「Kenzo」の蟹のホソマキ


「Monsoon Lounge」の蟹とアボガドのホソマキ


「Monsoon」の海老天のホソマキ


「Monsoon」のビビンバ

■ ペルシャ料理

毎回来てしまう「Hani」はいつも賑わっている。L字型のコースを歩き、好きなものを取ってもらうシステムである。以前にケバブとサーモンを頼んで大変なことになったことがあって、今回はサーモンとフルーツゼリー。それでも食べ切れない。

テヘランは坂の街であり、北には山があってそれを越えるとカスピ海である。実は山の麓には素敵な飲食店街があって、葉っぱが降ってくるテーブルで肉にかぶりついていると本当に気持ちがいい。どこも家族連れですごく賑わっている。(ところで、イラン人女性はなぜああも美しい人ばかりなのだろう?)

■ カフェ飯

ハンバーガーやピザ。ジャガイモの上にチーズとハムを載せた料理。見たまんまの味である。


「Alvand Pizza」のハンバーガー


見たまんま


話し好き

■ イタリアン

街にはイタリア料理店も結構あって、これも結構いける。量が多くて途中から飽きてしまうのが難点。
「Bella Monica」のラザニア


読めない店の野菜ペンネ

■ ドリンク

フレッシュジュースは旨いのだが、独自のドリンクはあまり口に合わない。イランの仕事仲間が「あれは日本人は嫌いだろう」と言っていた、牛乳に塩が投入されたドリンクなんてその最たるものだ。しかし、好きになるまで飲むつもりである。


牛乳と塩のドリンク

■ ざくろ

イランはざくろの原産地である。今回は旬の時期が訪れる前なので、果物屋にもほとんど並んでいなかった。ひとつ買って宿の部屋で食べたが、やはりまだまだ。

●参照
旨いテヘラン
旨いテヘラン その2


鈴木勲 フィーチャリング 纐纈雅代『Solitude』

2016-09-03 00:16:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

鈴木勲 フィーチャリング 纐纈雅代『Solitude』(CS Record、2008年)を聴く。

Isao Suzuki 鈴木勲 (b, synth)
Masayo Koketsu 纐纈雅代 (as)
Keisuke Nakamura 中村恵介 (tp)
Akira Shiomoto 塩本彰 (g)
Mitsuhiro Itagaki 板垣光弘 (p, synth)
Nobuyuki Komatsu 小松伸之 (ds)
Mika Kawaguchi 川口弥夏 (ds)

相変わらず、鈴木勲=オマさんのベースはよく鳴り、自他を快調にドライヴする。パッセージやフレーズによるドライヴに加え、ぶいーんと共鳴する音色がドライヴそのものである。ご本人の解説によれば、チェロの弦を張ってオクターブ上の音で使用することもあるが、このときは、エレキベースの弦を張って伴奏からメロディーまでをこのベース一本で表現したのだという。

目当ては纐纈雅代さんのアルト。いまと同じく、一音一音に活力がみっちりと詰まっていて、常に飛翔に備えている。オマさんの解説には、「勉強次第でその器を磨けば将来素晴らしいミュージシャンに成長するでしょう」ともある。これを聴いてわかることは、すでにこのときに纐纈雅代であったこと、その後も飛翔を続けていることである。

わたしがオマさんのグループで吹く纐纈さんを観たのは2014年の一回こっきりだが、やはりこのとき、ふたりの個性に魅せられてしまった(>> リンク)。ところで、もうひとりアルトを吹いていた大西由季子だが、調べてみると、ユッコ・ミラーと改名してぴかぴかな感じになっている・・・。

●参照
鈴木勲セッション@新宿ピットイン(2014年)(纐纈雅代参加)
「KAIBUTSU LIVEs!」をエルマリート90mmで撮る(2)(2010年)(鈴木勲参加)
纐纈雅代@Bar Isshee(2016年)
板橋文夫+纐纈雅代+レオナ@Lady Jane(2016年)
纐纈雅代『Band of Eden』(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)(纐纈雅代参加)
纐纈雅代 Band of Eden @新宿ピットイン(2013年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)(纐纈雅代参加)
『秘宝感』(2010年)(纐纈雅代参加)