クリス・アンダーソン『Live at Bradleys』(Alsut Records、1994年)を聴く。
Chris Anderson (p)
Ray Drummond (b)
Frank Gant (ds)
Billy Higgins (ds)
アンダーソンのソロと、ガントまたはヒギンズがドラムスで加わったトリオ。いずれにしてもリラックスしたセッションのようで、ハコの中にそのような空気が滞留している。
緊張感がなくてダレているかと言えばそんなことはない。このピアニストには、場の特別さや普通さのようなことは関係ないのではないか。キレはあまり無くて、ヌケも悪い。指はどちらかと言えばもたついて、フレーズがなんとなく混濁している。しかしそれが良いのだ(晩年のバド・パウエルのように)。
聴く方も、日常の時間配分などを考えながらだと気持ちが武装解除されず、このピアノが沁みこんでこない。脱力することは難しい。