Sightsong

自縄自縛日記

ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』

2016-09-17 11:09:27 | アヴァンギャルド・ジャズ

ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(Éditions Piednu、2009年)を聴く。

Michel Doneda (sax)
John Russell (g)
Roger Turner (perc)

ミシェル・ドネダのソプラノは唯一無二のものだ。この人の音を聴いていると、荒れ地も緑地も見える場所で、風が吹き、樹々の枝や葉叢が動いてざわざわと音を立てるようなイメージを幻視する。

ロジャー・ターナーが微妙な力で鼓膜をくすぐるようにドラムスと戯れている。ジョン・ラッセルもまた戯れている。三者三様でそれぞれの地声を発していくうちに、耳はドネダの息遣いと一体化してしまう。そして三者が有機結合したときのグルーヴといったらない。

●ミシェル・ドネダ
ミシェル・ドネダ『Everybody Digs Michel Doneda』(2013年)
ミッシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
ロル・コクスヒル+ミシェル・ドネダ『Sitting on Your Stairs』(2011年)
ミッシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ミシェル・ドネダ『OGOOUE-OGOWAY』(1994年)

●ジョン・ラッセル
ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)

●ロジャー・ターナー
蓮見令麻@新宿ピットイン(2016年)


ライトシー+モイエ+エレケス『Estate』

2016-09-17 07:59:58 | アヴァンギャルド・ジャズ

ライトシー+モイエ+エレケス『Estate』(Itinera、2000年)を聴く。

Kirk Lightsey (p, fl)
Famoudou Don Moye (ds)
Tibor Elekes (b)

今までカーク・ライトシーというピアニストにあまり注目しておらず、ドン・モイエと共演している盤で聴いていた程度だった。本盤もモイエ目当て。しかし、こうして主役としてのパフォーマンスを聴いてみると悪くない。

指は決して流麗ではないのだが、ごつごつとした中から光が見え隠れしてきて、それがまた味わいがあって実に良い。たとえば、ハービー・ハンコックの「One Finger Snap」を聴いてみると、目から鼻に抜けるように機敏で鮮やかなハンコックのオリジナル演奏が頭の片隅にあるために、この個性が際立ってくる。モイエもトニー・ウィリアムスとはまったく違って、土臭くグシャリとして熱を発散する。

●ドン・モイエ
ワダダ・レオ・スミス『Spiritual Dimensions』(2009年)
アーサー・ブライス『Hipmotism』(1991年)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像『Null Sonne No Point』(1997年)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『カミング・ホーム・ジャマイカ』(1995-96年)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴの映像『LUGANO 1993』(1993年)
ドン・モイエ+アリ・ブラウン『live at the progressive arts center』、レスター・ボウイ・ブラス・ファンタジー『Serious Fan』(1981、89年)
チコ・フリーマン『Kings of Mali』(1977年)
アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『苦悩の人々』(1969年)