自分にとって小説よりエッセイが好きな村上春樹。ちょっと前に出た新作に興味がないわけではないけれど、たまたま見かけたエッセイを手に取り旅のお供にした。
写真で見る限り走り込んだランナーには見えないのだが、本書中の記述に拠れば村上センセは結構走っている。フルマラソンでタイムもサブ4どころか3時間30分台と書いているので、相当の実力の持ち主には違いない。
だが当人にとっては、タイム目標でなく「ただ走ることが楽しい」ジョグの延長がハーフであり、フルであり、果てはウルトラそしてトライアスロンであるらしい。数字と言う「ちっぽけな」指標に拘らず、己の得心ゆくパフォーマンスが出来たか否かが判断基準らしい。偉いねぇ。
で、本書はその舞台の中心が国内より海外各地におかれている。ハワイ、アテネ、ボストン、ニューヨーク。例外は北海道のサロマ湖畔だ。行った事のある土地ばかりなので、トレーニングやレースの記述に出てくる街並みを思い出し、この人の目(意識)にはこういうものが映っていたのかと思うのも楽しい。
最後に、「僕の墓碑銘なんてものがあるとして、」と書いて欲しい本人の思い。「村上春樹(中略)少なくとも最後まで歩かなかった」なんて強固な意志の持ち主なのだろう。「今のところ、それが僕の望んでいることだ」とあるけど、多分この作家(またはランナー)はやり遂げてしまうのだろう。
2013年7月12日 ナッシュビルのホテルにて読了
写真で見る限り走り込んだランナーには見えないのだが、本書中の記述に拠れば村上センセは結構走っている。フルマラソンでタイムもサブ4どころか3時間30分台と書いているので、相当の実力の持ち主には違いない。
だが当人にとっては、タイム目標でなく「ただ走ることが楽しい」ジョグの延長がハーフであり、フルであり、果てはウルトラそしてトライアスロンであるらしい。数字と言う「ちっぽけな」指標に拘らず、己の得心ゆくパフォーマンスが出来たか否かが判断基準らしい。偉いねぇ。
で、本書はその舞台の中心が国内より海外各地におかれている。ハワイ、アテネ、ボストン、ニューヨーク。例外は北海道のサロマ湖畔だ。行った事のある土地ばかりなので、トレーニングやレースの記述に出てくる街並みを思い出し、この人の目(意識)にはこういうものが映っていたのかと思うのも楽しい。
最後に、「僕の墓碑銘なんてものがあるとして、」と書いて欲しい本人の思い。「村上春樹(中略)少なくとも最後まで歩かなかった」なんて強固な意志の持ち主なのだろう。「今のところ、それが僕の望んでいることだ」とあるけど、多分この作家(またはランナー)はやり遂げてしまうのだろう。
2013年7月12日 ナッシュビルのホテルにて読了