タイトル通りで、今回は5人の作家が紹介されていた。
・大森克己
震災以降の、桜を入れた各所の風景。特徴的なのは「アメリカン・クラッカーを風景とカメラの間に介在させ、生じるハレーションを意図的に写真に入れ込む方法で撮影されてる」(本展解説パンフより)こと。なのでどれも露出オーバーで桜も景色もボンヤリ。で、それが何?
・林ナツミ
「浮遊セルフポートレート日記」(同)だそうで、コラージュでないとすれば三脚置いてセルフタイマーして、タイミングを計って「ヤッ」って「浮遊」(けっこう横っ飛びジャンプ)してるんでしょうか。その努力には敬意を表するけど、その場所を選んだ理由、そこに自分を写し込む理由に必然性も偶然性も感じられない。これもやっぱり「それが何?」
・糸崎公朗
「フォトモ」はフォトモデルの略語だろうか、撮影した写真を厚紙に印刷して「のりしろ」を作り、例えば建物、例えば自動車、そして歩行者みたいな組立式ジオラマを制作。恐ろしく手間がかかった作品である。のりしろ部分は手書き、ちょっとしたコメントなども入りユニーク。
・鍛冶谷直記
「昭和レトロ」を感じる、風俗と言うかちょっと怪しい系看板のオンパレード。まとまると作品と言えなくもないが、記録写真的な価値を感じた。
・津田隆志
「全国各地を旅して『あなたがテントを張れそうだと思う場所』に宿泊し、その場所を記録した写真シリーズ」(同)は、テーマとして興味深い。少し離れた場所から、その場所の雰囲気、旅に使った自転車と張ったテント(スノーピークだ)が分かる。公園のあずまやか公共施設の軒下が大半。文章がつけば面白い旅日記になったろう。これが日本の旅人への理解度と訴えるのか。あまり外国人バックパッカーには見せられないかもしれない。
こうして展示される作家はみな、確固としたテーマを持って作品を制作していることが理解できた。だがそのテーマが見る人の共感を得られるかは別問題だということもはっきりした。「万人の理解を得る芸術などあり得ない」って過去の大人物が言ってた気がするが、誰だっけ。
2014年1月17日 恵比寿・東京都写真美術館にて
・大森克己
震災以降の、桜を入れた各所の風景。特徴的なのは「アメリカン・クラッカーを風景とカメラの間に介在させ、生じるハレーションを意図的に写真に入れ込む方法で撮影されてる」(本展解説パンフより)こと。なのでどれも露出オーバーで桜も景色もボンヤリ。で、それが何?
・林ナツミ
「浮遊セルフポートレート日記」(同)だそうで、コラージュでないとすれば三脚置いてセルフタイマーして、タイミングを計って「ヤッ」って「浮遊」(けっこう横っ飛びジャンプ)してるんでしょうか。その努力には敬意を表するけど、その場所を選んだ理由、そこに自分を写し込む理由に必然性も偶然性も感じられない。これもやっぱり「それが何?」
・糸崎公朗
「フォトモ」はフォトモデルの略語だろうか、撮影した写真を厚紙に印刷して「のりしろ」を作り、例えば建物、例えば自動車、そして歩行者みたいな組立式ジオラマを制作。恐ろしく手間がかかった作品である。のりしろ部分は手書き、ちょっとしたコメントなども入りユニーク。
・鍛冶谷直記
「昭和レトロ」を感じる、風俗と言うかちょっと怪しい系看板のオンパレード。まとまると作品と言えなくもないが、記録写真的な価値を感じた。
・津田隆志
「全国各地を旅して『あなたがテントを張れそうだと思う場所』に宿泊し、その場所を記録した写真シリーズ」(同)は、テーマとして興味深い。少し離れた場所から、その場所の雰囲気、旅に使った自転車と張ったテント(スノーピークだ)が分かる。公園のあずまやか公共施設の軒下が大半。文章がつけば面白い旅日記になったろう。これが日本の旅人への理解度と訴えるのか。あまり外国人バックパッカーには見せられないかもしれない。
こうして展示される作家はみな、確固としたテーマを持って作品を制作していることが理解できた。だがそのテーマが見る人の共感を得られるかは別問題だということもはっきりした。「万人の理解を得る芸術などあり得ない」って過去の大人物が言ってた気がするが、誰だっけ。
2014年1月17日 恵比寿・東京都写真美術館にて