日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】高群逸枝著/堀場清子校注 「娘巡礼記」(岩波文庫)

2020-09-24 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 熊本に住む24歳の娘が一人で(実際には70過ぎの爺がお供することになったが)四国巡礼を思い立ち、実行した記録。コースは別府から八幡浜へ渡り、そこから逆打ち(逆回りの巡礼)をしている。

 今ならコミュ障と呼ばれかねない、他人とはまともに話ができないくせに筆を取ると意気軒昂と言うか自意識過剰、若さゆえの未熟ぶりが鼻につく。本人も解ってはいるようだが、その姿勢を改めようとは思わなかった風。自我の確立、維持にばかり目が向いてるように見受けられる。

 100年も前の話である。当時の日本の人々の無遠慮な視線や物言い、四国遍路=社会で行き場を失った人々の流浪の場という雰囲気が良く伝わってくる。スピリチュアルな巡礼と化し人気が出たのは、わずかここ数十年の話というわけ。

 著者は絶対に好きになれそうにないタイプの女性だが、野宿粗食に耐え、厳しい巡礼行の中で句を詠み旅日記を纏めた、そのバイタリティは現代の人々では中々見られないものではないか。その点は素直に感心し賞賛したい。

 2020年9月7日 自宅にて読了
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2020年9月6日 大人の社会科見学・千葉芝山界隈

2020-09-24 06:00:00 | ノンジャンル
 こんな時期に一体誰が乗る?と言うJRバス関東の定期観光バス「ウェルカム成田セレクトバスツアー」芝山コースに乗ってきた。理由は3つ、JRバス関東のツアーであること、この運行のみユーグレナバイオ燃料が使用されること、10月以降の運行が変更予定であり休止となってしまう可能性もあること。

 先週バイクで立ち寄ったばかりの成田空港だが、さすがに今日は東京駅からバスで行く。2月から運行、乗車システムが大幅に変わったが、時刻表を調べて往復ともJR便をチョイス、今日は日野セレガ3台のリレー乗車になった。千葉方面の高速車ってセレガばっかで、エアロクイーン(ふそう)は東北道や中央道路線なんだよね。
(1)東京駅→成田空港 H657-14427(土浦支店所属)
(2)セレクトバスツアー H657-07405(東関東支店所属・バイオディーゼル燃料使用車)
(3)成田空港→東京駅 H657-19403(東京支店所属)

 予想通り始発バス停の周囲に乗客の姿はなし。カイドさんに「予約なしで乗りたいんですが」と声を掛けると一瞬ビックリした様子ののち「えぇ、どうぞどうぞ」。Suica払い、3,500円(道の駅で使える金券600円分つき)!定刻に発車、1タミ、JR成田駅と回るが乗客は増えず「貸切運行」決定。「もし3ヶ所回ってお客さんがいなかった場合は?」「連絡ののち車庫に戻ります」「その場合の乗務手当は?」…さっそく質問攻め開始。わざわざ東京支店から転属させた本車にバイオ燃料を使う理由は?ドラ氏が東名線を担当していた時代に乗務した「アストロメガ」の印象は?等々。

 3,500円も取る割にコースはショボくて(失礼)、午前中に「房総の村」、昼食を「道の駅多古」、午後に「芝山仁王尊」これで終わり。そりゃお客さん乗らないでしょ、インバウンドならなおさら。今や3,500円あれば4列バスなら関西まで行けるんである。確かに公共交通機関で行き辛い場所であり有難いけど、目的地がマイナーすぎるし割高すぎる。せめてもう一ヶ所「有名どころ」を追加しないと…

 房総の村は広い敷地に昔の家並みや農家が点在、園内の畑で採れた農作物を販売したり、加工供食したり。工芸品の体験や、コスプレ衣裳での園内散策までできる!1時間ほどの滞在だったが回りきれなかった。建物が移築でなく再現と言うのが惜しいが、施設もスタッフのホスピタリティも良い感じがした。

 道の駅多古では売店で弁当を買い、ベテランガイドさんとお喋りしながら食べる。このツアーのこと、ガイドさんの経歴、親の面倒をみることまで。

 芝山仁王尊は仁王門が秀逸、門の中に畳敷きのスペースがありお経を上げられるようになっている。創建は781年、奈良時代末期に関東のこんな場所にとは驚いた。本堂、三重塔ともに後世の作だが見事な彫り物が目立つ。寺の方が出てきて下さり縁起やら堂宇やら色々な事、さらには芝山一帯の話(三里塚闘争)なども聞かせてくれ、実に充実。ちなみにここ成田A滑走路の延長線上にあり、34Lへの着陸機が仁王門の直上200mほどをかすめてゆくのだとか。この日は16R使用で、高度はあったものの確かに真上を飛行機が飛んでいった。

 割高に感じるツアーではあったが、房総の村も芝山仁王尊も訪れたことがなく、かつ良いところだったため無駄金を使った気にはならず、気の良いガイドさん、親切な運転士さんのおかげで実に楽しく1日を過ごすことができた。ツアーは10月以降なんらかの手が加えられるようで、変更後の内容によってはまた参加したい。写真は、およそJRバスらしからぬ場所に停車中のバス(芝山仁王尊前にて)。
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