登山家・山野井泰司&妙子夫妻が決定的に手足の指を失うことになってしまった、ギャチュン・カン北壁登山(2002年)の行動を描いた書。「深夜特急」の沢木耕太郎が山モノを書くところに興味が湧いて借りてみた。
状況描写は細かく、また夫妻とくに泰司の思考や心理もしっかり書き込まれており、単なるドキュメントに留まらない伝記的雰囲気を持っている。
普通のクライマーなら見向きもしない8,000m未満の山(しかもほんの数m足りないだけだ)、そういう場所に価値を見出す根拠は非凡であるけれど、一方で初登攀ルートに拘る部分はクライマー共通の価値観でもあるようで、山野井(夫妻)が全くの奇人変人ではないと解る。クライマーや冒険・探検家の心理について角幡唯介氏の著作を読んでいたからだろう。
本人の書いた「垂直の記憶」も読んでみたい。
2020年9月5日 都内移動中の山手線にて読了
状況描写は細かく、また夫妻とくに泰司の思考や心理もしっかり書き込まれており、単なるドキュメントに留まらない伝記的雰囲気を持っている。
普通のクライマーなら見向きもしない8,000m未満の山(しかもほんの数m足りないだけだ)、そういう場所に価値を見出す根拠は非凡であるけれど、一方で初登攀ルートに拘る部分はクライマー共通の価値観でもあるようで、山野井(夫妻)が全くの奇人変人ではないと解る。クライマーや冒険・探検家の心理について角幡唯介氏の著作を読んでいたからだろう。
本人の書いた「垂直の記憶」も読んでみたい。
2020年9月5日 都内移動中の山手線にて読了