西行の作品紹介を挟みながら、その生涯や特徴を解説した本書は自分に合っていると思った。作品がずらりと並べられた本だと、1,2ページを繰ったところで閉じてしまうのではないか。西行は歌人であり、作品は基本的に「五七五七七」である。そして(本にもよるだろうが)旧仮名遣いなので、学校の古文の授業を思い出さねばならない…自分は比較的得意だったので、さほど苦はなかったが。
武家の出でありながら仏門に入り、さらに歌人として名を馳せた西行の生涯には特異性があるが、著者は西行を「やわらかさも固さも、情感も面魂も、どちらも西行の特質である。」と解説する。異なる二面性を持つだけでなく、それらを上手く使い分ける術に長けていた点が凡百と最も異なるところだったのだと理解した。良く言えば達人、悪く言えば一筋縄ではゆかない男。
終章の、芭蕉との比較も興味深い。
2020年8月26日 自宅にて読了
武家の出でありながら仏門に入り、さらに歌人として名を馳せた西行の生涯には特異性があるが、著者は西行を「やわらかさも固さも、情感も面魂も、どちらも西行の特質である。」と解説する。異なる二面性を持つだけでなく、それらを上手く使い分ける術に長けていた点が凡百と最も異なるところだったのだと理解した。良く言えば達人、悪く言えば一筋縄ではゆかない男。
終章の、芭蕉との比較も興味深い。
2020年8月26日 自宅にて読了