日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】門倉貴史著 「貧困ビジネス」(幻冬舎新書)

2023-10-02 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 ひょっとして、貧困ビジネスって言葉を創造した或いは世に知らしめたのは本書なのではないか。15年ほど前に、社会の暗部をつまびらかにした本。

 ゼロゼロ物件、リセット屋、格安アパートなど、貧困層を(グレーゾーンで)食い物にする手口をよくまあ考え付くものだと思う。そんな甘言に乗る貧困層を批判するのは容易いが、危ない怪しいと判っていても縋るしかない生活苦よ。こんな社会に誰がした。ただし、本書に登場する「被害者」すべてが気の毒とは思わない。どこか甘さのあった人も、いないわけではないと思う。こう書くと「結局は自己責任論者かよ」と思われるだろうが、たぶんそうなのだ。

 無職(ほぼ)無収入となった今、健康を害したり詐欺に引っ掛かったりすれば自分もこうした人々の仲間入りする可能性は高い。気を付けたい。

 2023年9月7日 タイ・バンコクのホテルにて読了

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【本】パウロ・コエーリョ著/山川紘矢・山川亜希子訳 「アルケミスト-夢を旅した少年-」(角川文庫)

2023-10-02 06:00:00 | 本・映画・展覧会

 世界の名著と言って差し支えない人気作、これまで手にしていなかったのを読んだ。羊飼いの貧しい少年が旅をし、人と出会い、才覚で少しは豊かになった。心ときめく少女との出会いもあった。ジュブナイル文学の傑作であると、評価が高い。

 だけど、うーん何だろう素直に「素敵な物語だね」と言えないのは。たぶん「錬金術師になりたい」という少年の希望に、純真な成長でなく成り上がり欲望みたいなものを感じてしまうからだと思う。厳しく辛い羊飼いの生活から抜け出したいと言う本能的な渇望と受け止めれば問題なく、たぶん評価する人はそう受け止めているのだろう。そう受け止められないのは、受け止める側の心が歪み汚れているからなのかもしれない。

 2023年9月5日 IT239便(旭川→台北)機内にて読了

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