タイトルにある内容ばかりではないが、なぜ日本は欧米のような経済成長ができず、物価のみ上がって賃金は上がらないのか?について書かれている。なかなかシニカルな視点で、面白い本。政府が無能なばかりではありませんよ、と言う言い逃れにも受け止められそうである。
残念だが、指摘されている内容には思い当る。ネガティブ志向、不寛容、非科学的、情緒的。その一方で終章に示された「どうすれば良いのか」には、理想論のあまり論理が飛躍しすぎ、実際の「方向転換」はそう簡単に行かないのではと言う懸念がぬぐえなかった。
間違いなく言えることは、このままでは今以上に日本は世界の中での地位低下を進めてしまうってことだろう。老い先そう長くない自分らは嘆く程度で済むかもしれないが、若い世代は気の毒でならない。
2023年10月5日 和歌山市のホテルにて読了